Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「あなたがお母様のことをとても想っていることはわかりました。

でも私も同じなんです。

そして高松さんのお母様だって、きっと同じだと思います」


 みのりは高松へ語りかけるように話しかけた。小馬鹿にしように

涼介を見ていた高松がこちらを向く。


「何?」


 高松が訝しげな表情でジロジロと見てきた。それは先ほどまでの

聞く耳を持たないといった態度ではなかった。

 みのりが内心で安堵していると、涼介が口を開く。


「俺もみのりさんと同じ意見です。

あなたのお母様はあなたの心からの笑顔を見たいんですよ」


 涼介の言葉に高松の瞳が大きく見開かれた。


(やっと届いた……)


 みのりは、高松に考えるすきを与えないよう畳みかける。


「高松さんだってそうですよね?

お母様の心からの笑顔が見たいから自由を手に入れたいって

思っているんですよね」


 みのりが確信を持って言い切ると、高松の動きが止まった。


「え……がお……」


 掠れた声で呟いたあと、高松はガックリと膝を地面へつく。

そして力尽きたようにナイフから手を離した。










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