Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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 高松の戦意喪失に、涼介がすぐさま動く。


「美都子様、そのまま刃物を握っていてください。

誰か止血できる人はいますか?」


 言うや、涼介は美都子を補助するように腕を支えた。

そして格子柄のハンカチを取り出し地面に敷くと、

美都子をゆっくりと座らせた。

そこへ野木崎が黒い水玉柄のハンカチを手に近づいてくる。


「こ、これ使って!」

「野木崎さん、ありがとうございます。お借りしますね。

碧、お願い」


 みのりは野木崎からハンカチを受け取り、碧を見た。

こういうときに頼りになる男だ。目が合うと、碧が首肯してくる。


「市長殿。大丈夫だと思いますが、この獣人たちを

見張っていてくださいませんか?」


 碧の頼みに、高松を気遣わしげに見ていた市長の顔があがる。


「わかった」


 市長と持ち場を交代するや、碧は小走りでやって来た。

みのりは野木崎から借りたハンカチを碧へと渡す。


「美都子様、失礼しますね」

「えぇ、よろしく頼むわ」


 美都子が青白い顔で頭を下げる。

みのりは、ハンカチを駆使して止血を始める碧の手さばきを

黙って見つめた。










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