Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





AIC




「なんだかドキドキしてきたわね」

「ですね!」


興奮した様子の野木崎と小越の斜め後ろで、

太一が山波を見あげた。


「みのり様の踊りってどんな感じなのかね、おじちゃん」


 尋ねられた山波が顎に手をあてる。


「そうだな〜。わからんが、みのり様もきれいだと思うぞ。うん」

「そうだね。ふふふ。うん。ぼくもそう思う」


 答えになっていない山波の言に、太一が嬉しげに笑った。


「それではよろしくお願いします」


 みのりの言葉に、雪姫が頷く。


「行くマロよ」


 銚子の上に乗り、改めてみのりを見やった。


「はい」


 返答とともに腕をあげ、みのりが雪姫と一緒に舞い始める。

透き通るような指先の流れに、空気が澄み渡っていくのがわかった。


「みのりさん……」


 いつもより以上に凜としたみのりの表情に、涼介は見惚れる。


「きれい……」


 小越の呟きに心から同意していると、

野木崎の感心しきったような声が聞こえてきた。










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