Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
BIC
「大丈夫ですよ! 伝説通りのことが本当に起こってるんですから!」
麻里が力こぶを作って力説する。相変わらず前向きな人だ。
(どうしたもんかな)
頬を掻いてこの事態をどう収拾するべきか考えていると、
雪姫の明るい声が響いた。
「そうマロ。願いは届いたマロ」
雪姫の言葉に顔を上げ、絶句する。
同時に、みのりが息を呑むのが聞こえた。
「雪姫、あなた体が……」
「雪姫様!?」
雪姫の小さな身体が半透明になっていた。
「雪姫様消えちゃうの!?」
「そ、そんな!!」
泣き出しそうな太一の声音に山波の声が被さった。
頭が混乱する。
願いが叶ったからと言ってなぜ雪姫が消えなければならないのだろうか。
手を差し伸べようとした時、小越がのみに向かい訴えた。
「なんとか、なんとかできないんですか! のみさん!」
小越の言葉に、のみが寂しげに微笑む。
「それが決まりですから。
雪姫様、またお会いできる日まで、ごゆるりとお眠りくださいませ」
恭しく告げるのみの言葉を、涼介はかける言葉もないまま聞き続けた。
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