Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IF




「んー。やっぱり美味しい。ふふふ」


 一くち口に含んだみのりが弾けんばかりの笑みを浮かべる。


「うん。やっぱり美味しいな、ここのアイス」


 涼介もゆっくりとバニラの味に浸った。

これだったらもう一個だっていけそうだ。

などと考えていると、

みのりが何かを思いだしたのか視線を上向けた。


「たしかあのとき、涼介が持っていたクーポン券に

このアイスがかかって雪姫が現れたのよね」


 みのりの言葉に、涼介も思いだす。


「ああ、そうだったね。あの時はもう一度君とここに来るとは

思わなかったなあ」


 あの頃は心からいがみ合っていた。

……本当はそうではなかったのかもしれないが、

少なくとも自分たちは互いのことを嫌い合っていると信じていた。

数日前のことを思い起こしていると、みのりが代弁してくれる。


「あの時はこんな未来が待ってるなんて思ってもいなかったもの」


 みのりの発言に、涼介は以前この場所へ来た時のことを改めて思った。










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