Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
IF
「んー。やっぱり美味しい。ふふふ」
一くち口に含んだみのりが弾けんばかりの笑みを浮かべる。
「うん。やっぱり美味しいな、ここのアイス」
涼介もゆっくりとバニラの味に浸った。
これだったらもう一個だっていけそうだ。
などと考えていると、
みのりが何かを思いだしたのか視線を上向けた。
「たしかあのとき、涼介が持っていたクーポン券に
このアイスがかかって雪姫が現れたのよね」
みのりの言葉に、涼介も思いだす。
「ああ、そうだったね。あの時はもう一度君とここに来るとは
思わなかったなあ」
あの頃は心からいがみ合っていた。
……本当はそうではなかったのかもしれないが、
少なくとも自分たちは互いのことを嫌い合っていると信じていた。
数日前のことを思い起こしていると、みのりが代弁してくれる。
「あの時はこんな未来が待ってるなんて思ってもいなかったもの」
みのりの発言に、涼介は以前この場所へ来た時のことを改めて思った。
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