Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
IG
「まったくだよな。もしここにクーポンがあって、
またクーポン券にアイスがかかったら、雪姫がでてきたりするのかな?」
今は眠りについてしまった雪姫のことを思う。
言葉にだしてしまうと実際にやってみたくなるのはどうしてだろう。
涼介は天井を見あげた。
(やっぱ寂しいからかな……)
ずっと一緒にいられるとは思っていなかったが、
彼女がいたことで緊迫感のある状況でも乗り切ってこられた気がする。
「出てきて欲しいわね。でも、山波さんが言ってじゃない。
眠らせてあげないといけないって」
呟くように言葉を紡ぐみのりに、涼介は深く頷く。
「そうだね……」
もう会うことはできないのだ。
それが互いにとっての幸福なのだ。
わかっているだけに、胸の奥に寂しさが募る。
(そうなんだよな……)
しみじみと空になったアイスの器を眺めていると、みのりが長く息を吐いた。
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