Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
IH
「ふふふ。なんだか急に湿っぽくなっちゃったわね」
みのりは気分を変えようと明るめの声を出した。
涼介が肩を竦め、苦笑する。
「うん。まあ、しばらくはこんな気分になるのもしかたない
かもな。……さて、アイスも食べたし、紅さんもパフェを
食べ終わったみたいだから、そろそろでようか」
涼介に促され、みのりは紅たちの席へ視線を向けた。
紅が満悦そうな顔で腹をポンポンと叩いている。
その向かい側では、碧がやに下がって顔で紅を見つめていた。
みのりは涼介へ目線を戻し、席を立つ。
「ええ。そうね」
レジ前には誰もおらず、スムーズに会計へと進んだ。
後ろへ碧たちが並ぶ。
「お会計失礼いたします。お釣り480円になります。
こちらクーポン券になっておりますので、次回からお使い
ください」
「アイスのクーポン券だ。またここに来ないとだね」
会計を済ました涼介が店員から受け取ったチケットを手に、
笑いかけてきた。
「ふふふ、そうね」
どうやらこの店とは縁があるらしい。
みのりはホクホクしながら涼介のあとを追いかけた。
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