Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IH




「ふふふ。なんだか急に湿っぽくなっちゃったわね」


 みのりは気分を変えようと明るめの声を出した。

涼介が肩を竦め、苦笑する。


「うん。まあ、しばらくはこんな気分になるのもしかたない

かもな。……さて、アイスも食べたし、紅さんもパフェを

食べ終わったみたいだから、そろそろでようか」


 涼介に促され、みのりは紅たちの席へ視線を向けた。

紅が満悦そうな顔で腹をポンポンと叩いている。

その向かい側では、碧がやに下がって顔で紅を見つめていた。

みのりは涼介へ目線を戻し、席を立つ。


「ええ。そうね」


 レジ前には誰もおらず、スムーズに会計へと進んだ。

後ろへ碧たちが並ぶ。


「お会計失礼いたします。お釣り480円になります。

こちらクーポン券になっておりますので、次回からお使い

ください」

「アイスのクーポン券だ。またここに来ないとだね」


 会計を済ました涼介が店員から受け取ったチケットを手に、

笑いかけてきた。


「ふふふ、そうね」


 どうやらこの店とは縁があるらしい。

みのりはホクホクしながら涼介のあとを追いかけた。










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