Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IA




「お嬢さま、違う」


 紅が身体を小刻みに震わせながらみのりへ訴える。


「え?」


 きょとんとしたみのりを、紅が怒りに燃えた瞳で見つめ返した。


「私、こいつ、好き、違う」


 言うが早いか手の中にあった温もりを無理やり奪い取られた。


(痛っ!)


 みのりの手を奪うと同時に爪を立てられたらしい。


(そこまで嫌われてんの? 俺……)


 仕方ないとは思いつつも、少し寂しい気分にもなる。


「私に気を遣わなくていいのよ、紅」


 視線を泳がせながら紅を気遣うみのり。

相変わらず話がズレていて、そんなみのりがやっぱり可愛いと思う。


「そうかあ、もしかして、

って思ってたけど、紅さんはやっぱりみのりさんが好きなのか」


 傷んだ手をこすりながら吐息すると、みのりが気色ばんだ。


「何言ってるのよ、涼介。紅が好きなのは……」


 だが、みのりの言葉は紅に寄って遮られる。


「違う。むしろ、嫌い。今、もっと嫌い、なった」


 紅がゆっくりと首を左右に振り、みのりが一瞬固まった。










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