Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
IA
「お嬢さま、違う」
紅が身体を小刻みに震わせながらみのりへ訴える。
「え?」
きょとんとしたみのりを、紅が怒りに燃えた瞳で見つめ返した。
「私、こいつ、好き、違う」
言うが早いか手の中にあった温もりを無理やり奪い取られた。
(痛っ!)
みのりの手を奪うと同時に爪を立てられたらしい。
(そこまで嫌われてんの? 俺……)
仕方ないとは思いつつも、少し寂しい気分にもなる。
「私に気を遣わなくていいのよ、紅」
視線を泳がせながら紅を気遣うみのり。
相変わらず話がズレていて、そんなみのりがやっぱり可愛いと思う。
「そうかあ、もしかして、
って思ってたけど、紅さんはやっぱりみのりさんが好きなのか」
傷んだ手をこすりながら吐息すると、みのりが気色ばんだ。
「何言ってるのよ、涼介。紅が好きなのは……」
だが、みのりの言葉は紅に寄って遮られる。
「違う。むしろ、嫌い。今、もっと嫌い、なった」
紅がゆっくりと首を左右に振り、みのりが一瞬固まった。
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