Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





A




「え! そ、そんなに訊いてた?」


 まったく身に覚えがない。

みのりは、ポリポリと頬をかいた。紅が小さく首を振る。


「問題、ない。とても、きれい」


 みのりは寛大な紅の言葉にホッと肩の力を抜く。


「ちなみに僕は3回ほどお答えしましたからね」

「うぐっ……」


 階段を下りながら呟かれた碧の一言に、みのりは言葉を

詰まらせた。


「お嬢様の気持ちもわかりますけどね。

何せ、今日は涼介君との初デートですものね」

「べ、別に、で、デートってわけじゃ」


 みのりは頓狂な声をあげた。

 黄金梅を実らせたあとみんなとは一度も会っていなかった。

彼らにきちんとお礼を言いたいと涼介に相談したところ、

一緒に行くことになっただけだ。

決してデートというわけではなく、みんなへお礼を伝えに行く

日なのだ。


(そりゃ、告白をしたわけだし、

デートって言ってもいいのかもしれないけど……)


 でもデートというのはこういうものではないはずだ。

よくはわからないが、きっと違う。

みのりが悶々としていると、頭上から碧のからかう声が降ってきた。










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