Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
二
A
「え! そ、そんなに訊いてた?」
まったく身に覚えがない。
みのりは、ポリポリと頬をかいた。紅が小さく首を振る。
「問題、ない。とても、きれい」
みのりは寛大な紅の言葉にホッと肩の力を抜く。
「ちなみに僕は3回ほどお答えしましたからね」
「うぐっ……」
階段を下りながら呟かれた碧の一言に、みのりは言葉を
詰まらせた。
「お嬢様の気持ちもわかりますけどね。
何せ、今日は涼介君との初デートですものね」
「べ、別に、で、デートってわけじゃ」
みのりは頓狂な声をあげた。
黄金梅を実らせたあとみんなとは一度も会っていなかった。
彼らにきちんとお礼を言いたいと涼介に相談したところ、
一緒に行くことになっただけだ。
決してデートというわけではなく、みんなへお礼を伝えに行く
日なのだ。
(そりゃ、告白をしたわけだし、
デートって言ってもいいのかもしれないけど……)
でもデートというのはこういうものではないはずだ。
よくはわからないが、きっと違う。
みのりが悶々としていると、頭上から碧のからかう声が降ってきた。
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