Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





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 碧の運転で果杷駅まで行くと、ロータリーはバスやタクシーで

いっぱいだった。


「碧、ここでおろして」

「よろしいんですか?」

「えぇ。すぐそこだから」


 みのりは路肩に停車するや、扉を開けた。

一緒に降りてこようとする紅を静止する。


「紅はここで待ってて」

「でも」

「すぐに涼介を連れてくるから。じゃあ、行ってくるわね」


 みのりは紅の返事を待たずに歩き出した。

はやる気持ちに、歩く速度が上がって行く。

 行き交う人の間を縫うように先へ進むと、涼介の後ろ姿が

目に入る。みのりは青年の元へ小走りで近づいた。


「もう、なんでまだいるんだよ。

郵便局はあっちだし、本局だって向こうじゃないか」

「まあまあ。いいじゃないか。そんなに急いでないんだから」

「涼介! ごめんなさい! 待った?」


 息を整えつつ名前を呼ぶと、涼介が振り返った。


「みのりさん! いや、今来たところだから。

――そういう服装初めてだね。よく似合ってる」


 涼介が襟足をなでながら見てくる。

みのりは涼介の褒め言葉に照れながら、彼を見つめ返した。










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