Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
I@
「へぇ、そう」
からかいを多分に含んだ野木崎の反応にどう返していいのか
わからず押し黙っていると、女性が駆け寄ってきた。
「りっちゃん、お待たせ。あら、どうしたの?」
女性は野木崎の知り合いらしい。
野木崎を愛称で呼ぶその人は、スッキリとした顔立ちでとても
綺麗な人だった。
みのりが女性を観察していると、おもむろに涼介がお辞儀をする。
「あ、太一君のお母さん! お久しぶりです」
「太一君のお母様!」
みのりは頓狂な声をあげた。そして彼女の前へ立ち、頭を下げる。
「その節は色々太一君に無理をさせてしまって申し訳
ありませんでした」
少し堅苦しくしすぎてしまったかもしれない。
みのりが内心で焦っていると、涼介がフォローするかのように
別の話題を口にする。
「あれから太一君とお祖母様、お元気ですか?
なかなか連絡がとれなくて」
「えぇっと?」
女性は助けを求めるように野木崎を見た。
野木崎は得心したとばかりに間に入り手を向けてくる。
「かずちゃん、こちら梅宮みのり様。梅畑君の彼女さんよ」
野木崎の紹介にみのりが体温を上昇させた。
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