Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IB




「いや、野木崎さんはどちらかというと当事者では……?」


 野木崎の言葉に涼介は呟く。

まったくの部外者であるような言い方をしているが、

がっつり自分たちと関わってきたはずである。


(まあ、巻き込んじゃったのは確かだけど……)


 誘拐までされてしまったのだから訴えられても良いくらいだ。


(さすがだなあ)


 主婦は強いということか。

納得しかけて、ふと内心でかぶりを振る。

こんなにも明るく笑い飛ばしてくれるのは、野木崎自身の性格に

よるものだろう。


(面倒見がいいんだよな)


 そうでなければ小越があそこまで懐くとは思えない。

誰とはなく頷いていると、太一の母親が野木崎を軽くいなした。


「りっちゃん、そんな言い方失礼じゃないの?」


 梅八家の人間に気安く話すなんて、と言外に語る

太一の母親に、野木崎が手を横に振る。


「大丈夫よ。みのり様も梅畑君もそういうの平気だから。ね!」


 肩へぽんと手を置かれ、涼介はすぐに同意した。


「はい。野木崎さんには本当に色々とお世話になりましたから」

「問題ありません」


 みのりも言葉を重ねてくる。

野木崎には本当にそれくらい世話になったのだから、

当たり前といえば当たり前だった。










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