Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
IB
「いや、野木崎さんはどちらかというと当事者では……?」
野木崎の言葉に涼介は呟く。
まったくの部外者であるような言い方をしているが、
がっつり自分たちと関わってきたはずである。
(まあ、巻き込んじゃったのは確かだけど……)
誘拐までされてしまったのだから訴えられても良いくらいだ。
(さすがだなあ)
主婦は強いということか。
納得しかけて、ふと内心でかぶりを振る。
こんなにも明るく笑い飛ばしてくれるのは、野木崎自身の性格に
よるものだろう。
(面倒見がいいんだよな)
そうでなければ小越があそこまで懐くとは思えない。
誰とはなく頷いていると、太一の母親が野木崎を軽くいなした。
「りっちゃん、そんな言い方失礼じゃないの?」
梅八家の人間に気安く話すなんて、と言外に語る
太一の母親に、野木崎が手を横に振る。
「大丈夫よ。みのり様も梅畑君もそういうの平気だから。ね!」
肩へぽんと手を置かれ、涼介はすぐに同意した。
「はい。野木崎さんには本当に色々とお世話になりましたから」
「問題ありません」
みのりも言葉を重ねてくる。
野木崎には本当にそれくらい世話になったのだから、
当たり前といえば当たり前だった。
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