Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IC




「ね! みのり様も梅畑君もいい人たちなのよ」


 梅八家が悪者みたいな言い方をする野木崎に、

太一の母親も曖昧に相づちを打つ。


「そう、みたいね」


 なぜそこまで警戒されてしまうのだろう。

梅八家だからと言って取って喰うわけでもないのに。


(傷ついてないといいけど)


 気になってみのりの様子を窺うが、

穏やかな笑み以外の何かを見つけることはできなかった。


「それより、さっき途中になってましたけど、太一君とお祖母様、

お元気ですか? こちらもごたごたしていてあれから連絡がとれていなくて」


 涼介は話を変える。

理由は特にないが、今一番気になっていることの一つだったからだ。


「え、ええ。太一なら今日も翔君と里夫君の家に遊びに行ったわよ」


 ためらいがちに告げられた言葉へ涼介は目を点にする。

太一の母親から里夫の名がでてくるとは思わなかった。

どうやら一緒に遊ぶことも許してくれるようになったらしい。


(すごいな)


 これも黄金梅のご加護と言ったところだろうか。


(というより、これが願った結果なのか?)


 朝から兄たちの様子も違う気はしていたが。

やっとのことで違和感の一端を掴んだ涼介は、

驚いて口腔に溜まっていた唾を呑み込んだ。










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