Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
IC
「ね! みのり様も梅畑君もいい人たちなのよ」
梅八家が悪者みたいな言い方をする野木崎に、
太一の母親も曖昧に相づちを打つ。
「そう、みたいね」
なぜそこまで警戒されてしまうのだろう。
梅八家だからと言って取って喰うわけでもないのに。
(傷ついてないといいけど)
気になってみのりの様子を窺うが、
穏やかな笑み以外の何かを見つけることはできなかった。
「それより、さっき途中になってましたけど、太一君とお祖母様、
お元気ですか? こちらもごたごたしていてあれから連絡がとれていなくて」
涼介は話を変える。
理由は特にないが、今一番気になっていることの一つだったからだ。
「え、ええ。太一なら今日も翔君と里夫君の家に遊びに行ったわよ」
ためらいがちに告げられた言葉へ涼介は目を点にする。
太一の母親から里夫の名がでてくるとは思わなかった。
どうやら一緒に遊ぶことも許してくれるようになったらしい。
(すごいな)
これも黄金梅のご加護と言ったところだろうか。
(というより、これが願った結果なのか?)
朝から兄たちの様子も違う気はしていたが。
やっとのことで違和感の一端を掴んだ涼介は、
驚いて口腔に溜まっていた唾を呑み込んだ。
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