Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
ID
「野伏間さんのところへ、ですか? 翔君も一緒に?」
喰い気味に問いかけると、野木崎が顔を近づけてくる。
「そうなのよ! 翔も一緒に遊べるようになったの。
これも黄金梅のおかげよね」
やはりそうなのか。
涼介はゆったりと変化しているこの状況が、
なんだか面はゆくて頬を掻く。
「黄金梅の……」
ひとりごちると実感が湧いてきた。
なんとしても今日中に皆に会ってお礼を言わなくては。
涼介は勢いよくみのりを見おろす。
「みのりさん、せっかくだから野伏間さんのところへ
先にご挨拶へ行こうか?」
問いかけると、
みのりが見あげてくるより先に太一の母親が口を開いた。
「あなたたちがしてくれたことで、義母も変わり始めてくれました。
梅畑さん。あのとき太一の味方になってくれてありがとうございました」
ゆっくりと頭をさげてくる太一の母親を前に、涼介は慌てる。
「いいえ、こちらこそ。
大切なご子息をお貸しくださりありがとうございました」
深々と一礼する。
自分のことを信じて預けてくれたこの人たちには感謝以外にない。
(ありがとうございました)
心から礼を言っていると、野木崎が声を弾ませた。
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