Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





ID




「野伏間さんのところへ、ですか? 翔君も一緒に?」


 喰い気味に問いかけると、野木崎が顔を近づけてくる。


「そうなのよ! 翔も一緒に遊べるようになったの。

これも黄金梅のおかげよね」


 やはりそうなのか。

涼介はゆったりと変化しているこの状況が、

なんだか面はゆくて頬を掻く。


「黄金梅の……」


 ひとりごちると実感が湧いてきた。

なんとしても今日中に皆に会ってお礼を言わなくては。

涼介は勢いよくみのりを見おろす。


「みのりさん、せっかくだから野伏間さんのところへ

先にご挨拶へ行こうか?」

 問いかけると、

みのりが見あげてくるより先に太一の母親が口を開いた。


「あなたたちがしてくれたことで、義母も変わり始めてくれました。

梅畑さん。あのとき太一の味方になってくれてありがとうございました」


 ゆっくりと頭をさげてくる太一の母親を前に、涼介は慌てる。


「いいえ、こちらこそ。

大切なご子息をお貸しくださりありがとうございました」


 深々と一礼する。

自分のことを信じて預けてくれたこの人たちには感謝以外にない。


(ありがとうございました)


 心から礼を言っていると、野木崎が声を弾ませた。










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