Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
IG
みのりが体制を元に戻すと同時に肩から涼介の腕が外れる。
少しだけ残念な気持ちになっていると、足の上に置いてある手を
涼介が優しく握ってきた。
みのりは反射的に涼介の顔を仰ぎ見る。だが、彼の視線は太一へと
移っていた。
「太一君、本当によかったね」
「うん。だから今度はリオが僕の家で遊ぶんだよねー」
すでにどら焼きを食べ終えていたらしい、太一が声を弾ませ
里夫を見た。
「おう。太一の家で『すごタロ』をするんだぜ」
「ゲームなら任せておけよな」
翔が人差し指で鼻下をなでる里夫の肩を組む。僕も混ぜてと
言うように、太一が2人の間に入った。
少年たちがまたもやはしゃぎ出す。しかしそれは、涼介が話し
かけたことにより終わりを告げる。
「すごタロを? それはすごいな!
そうそう。近々野球もやろうな」
「あ、そうだよ。お兄さん忘れてるのかと思ってたぜ」
「忘れてないよ。けど色々忙しかったからさ。悪かったよ、翔君」
涼介が腕を組んで拗ねる翔へ平謝りをした。その際に手を
放さなされてしまい、みのりは少しだけがっかりした。
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