Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IC




「それはそれ! これはこれだ!」

「そんなあ……」


 そっぽを向く山波に飛田が肩を落とした。

だが、みのりにはそれすらも微笑ましく映る。


(きっと、まだ芽衣子さんを飛田さんに取られたくないのね)


 それに今はなんだかんだと言ってはいるが、彼らの仲はずいぶんと

良好なようだ。

案外呆気ないくらい早くに飛田と芽衣子の結婚が認められるかも

しれない。みのりが呑気にそう予想していると、山波が話の区切りを

つけるように声をあげる。


「とにかく! ゴミと大事な素材の区別くらい区別がつくように

ならなけりゃ結婚なんぞ許さん!」

「はい、オヤっさん……」


 消沈した飛田の肩を芽衣子が慰めるようになでた。

そんな二人の姿を山波が優しく見つめる。


「これならもう大丈夫そうだね」


 涼介も山波と飛田の関係性を見て安心したのだろう。

彼らには聞こえないくらいの声で囁いてきた。


「そうね」


 みのりは耳朶をくすぐる涼介の息に胸を高鳴らせた。

一気に上昇した顔の熱を誤魔化すように俯く。

膝に置いていた手を涼介にそっと握られ、みのりは自然と頬を

緩ませた。










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