Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
IC
「それはそれ! これはこれだ!」
「そんなあ……」
そっぽを向く山波に飛田が肩を落とした。
だが、みのりにはそれすらも微笑ましく映る。
(きっと、まだ芽衣子さんを飛田さんに取られたくないのね)
それに今はなんだかんだと言ってはいるが、彼らの仲はずいぶんと
良好なようだ。
案外呆気ないくらい早くに飛田と芽衣子の結婚が認められるかも
しれない。みのりが呑気にそう予想していると、山波が話の区切りを
つけるように声をあげる。
「とにかく! ゴミと大事な素材の区別くらい区別がつくように
ならなけりゃ結婚なんぞ許さん!」
「はい、オヤっさん……」
消沈した飛田の肩を芽衣子が慰めるようになでた。
そんな二人の姿を山波が優しく見つめる。
「これならもう大丈夫そうだね」
涼介も山波と飛田の関係性を見て安心したのだろう。
彼らには聞こえないくらいの声で囁いてきた。
「そうね」
みのりは耳朶をくすぐる涼介の息に胸を高鳴らせた。
一気に上昇した顔の熱を誤魔化すように俯く。
膝に置いていた手を涼介にそっと握られ、みのりは自然と頬を
緩ませた。
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