Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





H




「ほ、本当は個別に伝えた方が良かったのかもしれないけど、

でもそれだとまた、か、勘違いしそうだったから……」


 みのりは口の中をぱさぱさにしながら、なんとか言葉を紡いだ。

ただ告白をすればいいだけなのに、それがとても難しい。

なかなか本題に入れない自分の拙さに、みのりは苛立ちを覚えた。

その姿に紅が気遣わしげに小首をかしげる。


「勘違い?」

「ああ、そうかもしれないね」

「と、とりあえず最後まで何も聞かずに」


 ただでさえ進まないのだ。

話の腰を折られてしまったら、一番の目的である告白ができなく

なってしまう。みのりは手のひらを涼介たちへ向け、彼らを制した。


「わかった」

「うん、わかったよ」

「ありがとう。そ、それで伝えたいことなんだけど……」


 みのりは快く了承してくれた紅と涼介に感謝した。

しかしその分、さらに涼介たちから注視され、口から心臓が

飛び出そうになる。


(お、落ち着くのよ。大丈夫。

言いたいことは決まってるんだから!)


 みのりは自分を鼓舞しながら、涼介と紅の顔を順番に見た。

そして、がばっ、と勢いよく頭を下げた。










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