Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
H
「ほ、本当は個別に伝えた方が良かったのかもしれないけど、
でもそれだとまた、か、勘違いしそうだったから……」
みのりは口の中をぱさぱさにしながら、なんとか言葉を紡いだ。
ただ告白をすればいいだけなのに、それがとても難しい。
なかなか本題に入れない自分の拙さに、みのりは苛立ちを覚えた。
その姿に紅が気遣わしげに小首をかしげる。
「勘違い?」
「ああ、そうかもしれないね」
「と、とりあえず最後まで何も聞かずに」
ただでさえ進まないのだ。
話の腰を折られてしまったら、一番の目的である告白ができなく
なってしまう。みのりは手のひらを涼介たちへ向け、彼らを制した。
「わかった」
「うん、わかったよ」
「ありがとう。そ、それで伝えたいことなんだけど……」
みのりは快く了承してくれた紅と涼介に感謝した。
しかしその分、さらに涼介たちから注視され、口から心臓が
飛び出そうになる。
(お、落ち着くのよ。大丈夫。
言いたいことは決まってるんだから!)
みのりは自分を鼓舞しながら、涼介と紅の顔を順番に見た。
そして、がばっ、と勢いよく頭を下げた。
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