Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
IB
そのまま護衛の2人は店員の後へついていってしまった。
「ありがとうございます。碧さん」
おそらく2人きりにしてくれたのだろう。
涼介は碧の計らいに感謝して、小さくガッツポーズした。
だが、みのりはそうと気づいていないらしい。
「もう勝手なんだから。碧がごめんなさい」
碧の行動に憤慨し、謝罪までしてくる。
涼介は手を左右に振った。
「いやいや、全然問題ないよ。っていうか正直言って2人きりになれて嬉しいし」
正直に言って反応をこっそり窺うと、みのりの頬が薄紅に染まるのがわかった。
(く〜!)
可愛くてたまらない。
(困ったなあ……)
できることならこのまま別のところへ連れ去りたい。
参った、と半分いけない気分でいるところへ、別の店員が声をかけてきた。
「では、2名様もこちらへどうぞ」
涼介は我に返り、小さく吐息する。
みのりに気づかれないようこっそり呼吸を整えて、
改めて彼女の小さな手を取った。
「さあ、行こう」
少女の手を引くと、みのりがこくりと頷いてくる。
「はい」
今まで一度もなかったほど従順なその姿に、涼介は身悶えた。
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