Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IB




 そのまま護衛の2人は店員の後へついていってしまった。


「ありがとうございます。碧さん」


 おそらく2人きりにしてくれたのだろう。

涼介は碧の計らいに感謝して、小さくガッツポーズした。

だが、みのりはそうと気づいていないらしい。


「もう勝手なんだから。碧がごめんなさい」


 碧の行動に憤慨し、謝罪までしてくる。

涼介は手を左右に振った。


「いやいや、全然問題ないよ。っていうか正直言って2人きりになれて嬉しいし」


 正直に言って反応をこっそり窺うと、みのりの頬が薄紅に染まるのがわかった。


(く〜!)


 可愛くてたまらない。


(困ったなあ……)


 できることならこのまま別のところへ連れ去りたい。

参った、と半分いけない気分でいるところへ、別の店員が声をかけてきた。


「では、2名様もこちらへどうぞ」


 涼介は我に返り、小さく吐息する。


みのりに気づかれないようこっそり呼吸を整えて、

改めて彼女の小さな手を取った。


「さあ、行こう」


 少女の手を引くと、みのりがこくりと頷いてくる。


「はい」


 今まで一度もなかったほど従順なその姿に、涼介は身悶えた。










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