Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
IC
腹が空いては戦はできず。
というわけで、涼介はステーキ丼定食を頼み、口の中へとかき込んだ。
みのりは照り焼きチキンの定食を選び、ゆっくりと口へ運んでいく。
美味しいのか、それとも珍しいのか。
とにかく心なしか瞳が輝いているのがまたかわいらしく、
涼介は食事に夢中になる振りをしながら、向かいの恋人の表情を
窺うことを欠かさなかった。
「ふ〜食べたなあ〜」
丼を置き吐息すると、みのりが微笑む。
「本当。美味しかったわ」
みのりの言葉に、やっぱり美味しかったのか、と
安堵して片頬をあげる。
「だろう? ファミレスだって馬鹿にならないんだぜ?
それはそうとお腹はもういっぱい?」
尋ねると、みのりが空になった器を眺めつつ首を縦に振る。
「そうね。アイスを頼みたかったけど、一人で全部
食べるのは無理そうだわ……」
口惜しげなみのりの言葉に、涼介はさりげなさを装って提案する。
「じゃあ、一つだけ頼もうよ。一緒に食べよう」
告げるなり、みのりの顔がまたぱっと輝いた。
「え、いいの?」
「もちろん!」
「嬉しい」
幸せを噛み締めるように告げるみのりを眺めているだけで、
涼介は夢心地になった。
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