Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IC




 腹が空いては戦はできず。

というわけで、涼介はステーキ丼定食を頼み、口の中へとかき込んだ。

みのりは照り焼きチキンの定食を選び、ゆっくりと口へ運んでいく。

美味しいのか、それとも珍しいのか。

とにかく心なしか瞳が輝いているのがまたかわいらしく、

涼介は食事に夢中になる振りをしながら、向かいの恋人の表情を

窺うことを欠かさなかった。


「ふ〜食べたなあ〜」


 丼を置き吐息すると、みのりが微笑む。


「本当。美味しかったわ」


 みのりの言葉に、やっぱり美味しかったのか、と

安堵して片頬をあげる。


「だろう? ファミレスだって馬鹿にならないんだぜ?

それはそうとお腹はもういっぱい?」


 尋ねると、みのりが空になった器を眺めつつ首を縦に振る。


「そうね。アイスを頼みたかったけど、一人で全部

食べるのは無理そうだわ……」


 口惜しげなみのりの言葉に、涼介はさりげなさを装って提案する。


「じゃあ、一つだけ頼もうよ。一緒に食べよう」


 告げるなり、みのりの顔がまたぱっと輝いた。


「え、いいの?」

「もちろん!」

「嬉しい」


 幸せを噛み締めるように告げるみのりを眺めているだけで、

涼介は夢心地になった。










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