スイーツ娘、村へ帰る。



第五章





「イルフォードさん、こんにちは。クロナがお世話になってます」

 アローナはなるべく失礼のないよう心がけ、しっかりとお辞儀する。

ゆっくり3数えて姿勢を正すと、イルフォードが目を細めた。

「いやいや、それはほら、持ちつ持たれつだよ。

ああ、イルーナ、イルミラ。アローナ君が来たぞ」

 イルフォードが人の輪の中へ一声かけると、

金髪の少女とウェーブがかった茶色い髪を

きれいにまとめたの女性がやってきた。

「まあまあ。ごきげんよう、アローナさん」

 優雅にお辞儀をしてきたのはイルフォードの妻であるイルーナだ。

当然のことながら金髪の愛らしい少女はイルミラである。

「ようこそおいでくださいましたわ、アローナさん」

 イルミラが花のように微笑む。

アローナは口元を綻ばせ、2人にお辞儀を返した。

「こんにちは、イルーナさん。それからイルミラも」

「晴れてよかったですわね」

 イルミラが首をかたむけて、ね、と同意を求めてくるので、

アローナはええ、と首を縦に振った。










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