卵のつがい
第三章
5
「おはよう」
集合場所へつくとすでにエポックが他の同僚たちと談笑していた。
ミラが小走りで近づくと手をあげて返してくる。
「おう!」
『おはよう、ミラ』
「ごめんなさい。もしかしてあたしが最後だった?」
集合時間には十分間に合うようにと早めに出たのだが
遅かったようだ。すでにピックスを除いた全員が揃っていた。
「いや、まだ時間じゃないから大丈夫だぜ」
謝りながらエポックたちの中へ加わると、
なぜか同僚たちから満面の笑みで迎えられた。
「何? 何かあったの? そんなニコニコしちゃって……」
不気味とも言える彼らの態度にミラは後ずさる。
それを押しとどめるかのように、
今回の旅で唯一の同性であるディアナが肩に手を乗せてきた。
「んーん、なんにもないわよ。
ただ恋っていいわよねーって話していたところ」
後ろで一つに編みこんでいる黒髪を揺らしながら、
ディアナがうっとりとした表情で応える。
「はー? 何よそれ?」
ミラは脈絡のない彼女の言葉に素っ頓狂な声をあげた。
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