卵のつがい



第四章

13



「いいのよエポックなんて待たせておけば……。

それになんか変だったのよね。

天使だーとか言ってグランって子を追いかけて行っちゃったのよ。

おかしな奴でしょう」


 あれも幼馴染みなりの励ましだったのだろうか。

それにしては突拍子もない行動だったような気がする。

ミラが腕を組み、頭を捻っていると、

イースが驚いた様子で声をあげた。


「え? グランに!」

「そうなの。あ、やっぱりイースの知り合いだったんだ。

すごく綺麗な子よね」


 あんな綺麗な子が近くにいるなんて少し不安だ。

しかしそんなことを素直に打ち明けることもできず、

ミラは平静を装った。


「う、うん。まぁ、でもなんだってグランに会ったの?」


 こちらに気を使っているのだろうか。

それとも好みの顔ではなかったのだろうか。

イースは少女の容姿について曖昧に頷くと話題を切り替えてきた。

ミラはそんな彼の態度に心の中で安堵する。

そして、イースを探そうと学園まできたものの、

どこを探していいのか途方に暮れていたときに

少女たちに声をかけてもらったことを話し始めた。










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