前日と同様に、SSスタート地点より本コースに入りました。この日も自分で路面状況を判断し、自分で考えて走るトレーニングが中心となりました。

本日も砂中心のコースであり、前方の視界を、数十mという高さの砂壁に遮られながらもライン取りを判断し、タイヤを砂に取られないようにアクセルを踏みつつ微妙なアクセルワークにより砂丘の頂点と思われる場所まで車を誘導しました。

この感覚ですが、車内では視界も限られていますので、登っている最中は砂丘の頂点の位置判断はできません。よって、車両の傾き加減や微妙な速度変化を感じ取り、車両をコントロールしていきました。頂点に到達しますと車両の向きは一転、前屈みとなります。場合により急傾斜のために、車両が砂に突き刺さりそうになることもありましたので、エンジンブレーキを使いつつも加速をして降りていかなければならないこともありました。

当初自分が最重要課題としていた Dune越えは、難なくこなせ、砂地では非常に心地よい気分で運転をしていました。しかし路面がゴツゴツとした砂地になると気分も一転、自分の苦手意識が出てきます。

時にスピードを出したが為にギャップの判断ができず、先生に「ギャップだよ」と言われ、慌ててブレーキを踏んではその後車両はバタバタ…。その時自分の視線はどこにあったかと言いますと、自分ではそのギャップは減速なしで通過できると判断、遠くの路面を見ていました。

逆に、スピードを出しては跳ねると思い、慎重に走行していると「ダラダラ〜っとしない。メリハリつけて走って。」と言われ、加速を指示される事もありました。

この様に、自分の中ではしっかりと路面を確認し、大丈夫と思い加速をしていると突然先生に「ギャップだよ。ちゃんと自分で確認してから行って。」と言われ、越えられないギャップが続くと思い低速走行をしていると「1本調子にならない。何気な〜く走らない。」と言われる始末です。正に、自分の判断と実際の先生の指示は、全く逆のものでした。

正午過ぎにCP3に到着、舗装路を横切りCP4に向かうルートとなっていましたが、オフィシャルより、この先のコースは既にclosedとなっているため、このまま舗装路にてビバークへ向かうように指示されました。

話を聞きますと、この先はエスケープルートがないため、1度コースに入ってしまうとゴールまで走り続けなければならないとのこと。実際にレイド部門のみならず、競技車両までもが走行を許可されずに舗装路へと誘導されていましたので、致し方ないのだと思います。しかし、時間的にはまだ12時半を過ぎたばかりですので、日中からトレーニングの機会がなくなってしまったことに対し、非常に残念でした。

残念であると同時に、まだSS129kmしか走っていませんので物足りなさも感じ、しかしどうし様もない問題である事を自分の中でも整理し、オフィシャルの指示通り、舗装路にてビバークへ向かいました。

 しかしその日のオフロード走行は終わったものの、今度は舗装路での走行トレーニングが待っていました。運転中は、オン・オフロードに関わらず、常に頭を使った運転が要求されました。自分では先生の指摘を受け、頭をフル回転させて確認・判断しながら運転しているつもりでしたが、先生の口からは度々「何気な〜く走らない。ダラダラ〜っとしない。1本調子にならない。」という言葉が発せられました。

 5日目の実際の私の総走行距離は428kmSS 129km、走行時間は約10時間でした


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107STAGE 5  Baharija-Siwa
               競技総走行距離 448.24km SS 375.34km

自分で正確な路面判断ができずに悩んだ日