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速筋と遅筋

体内の筋肉は、瞬発力に優れる『速筋』と、持久力に優れる『遅筋』の2つに大きく分類される。
速筋は、筋トレやダッシュなどのいわゆる無酸素運度で鍛えられ、大きくできる。これに対し、遅筋は、ジョギングなどの有酸素運動でえ鍛えられ、筋肉そのもは大きくならない。
これは、短距離走と長距離走の選手の体系を比較するとわかりやすい。どちらの体脂肪率は低いが、速筋の発達している短距離走の選手は大きな筋肉のついた逆三角形になり、遅筋の発達している長距離走の選手はかなり細い印象になる。

筋肉をつくる筋線維も速筋(タイプU)と遅筋(タイプT)の2つに大別される。速筋はスピードやパワー発揮に優れるが持久力に乏しく、遅筋は逆に、スピードに乏しいが持久力には優れている。遅筋はまた、酸素を用いて脂質を胃を分解し、エネルギーを作り出す能力が高い。そのために必要な赤色のミオグロビン(筋肉中に酸素を取り込むタンパク質)を多くもっていいるため、遅筋は見た目に赤く『赤筋』と呼ばれる。逆に速筋はミオグロビンが少なく白く見えることから『白筋』と呼ばれる。

速筋はさらにいくつかのタイプに分けられるが、タイプUaとタイプUbに大別できる。タイプUbは、もっともスピードがあり、持久力に乏しい、いわゆる『純白筋』。タイプUaはスピードも持久力もそこそこ兼ね備えたオールマアイティーな筋線維でミオグロビンを適度に持つことから赤と白の中間の『ピンク筋』と呼ばれる。

速筋の白ととピンクは、運動や環境によって激しく変わることがわかっている。白がピンクになったり、ピンクが白になったりすることは容易に、しかも数週間でも起こるのだ。速筋を継続的に鍛えると、白がピンクに変わることがわかってきた。そして、赤・白・ピンクの中でもっとも肥大しやすいのがこのピンク筋。また、脂肪を熱に変えてくれる『脂肪燃焼タンパク質:UCP−3』の発見もピンク筋がもっとも多い。

よって、筋トレを継続的に行いピンク筋を増やすことが、筋肉を肥大させ、基礎代謝を高め、体脂肪を減らすのに効果的といえる。


■雑学:魚の種類と赤・白・ピンク
海底で身を潜める「白身」のヒラメは、瞬発的な動きで獲物に襲い掛かる。回遊後であるマグロは瞬発的な動きはないが長く泳ぎ続けられる「赤身」の筋肉を持っている。そしてサーモン「ピンク」の鮭はというと、世界中の海を回遊する回遊魚である一方、産卵期には川の流れに逆行して滝をも登るという持久力と瞬発力を兼ね備ええるピンク筋の持ち主なのだ。