本田美奈子.さんの歌唱力について、以前から思っていることを書いてみようと思います。デビュー以来、常に、上を目指し、新しいことにチャレンジし続けてきた人です。私は、自分で勝手に、次のように分けてます。
(1) アイドル時代
同時期にデビューしたアイドルに比べて、歌がうまいのは確かだと思いますが、アーティスト全体を見渡した場合、他に例がないとまでは言えません。
私自身は、ヒット曲よりも、アルバムに収録されていたヒット曲以外の作品を聴いて、良いなと思いました。そのころ、一番、驚いたのは、「とてもいろいろな歌い方ができる」ということでした。
歌を歌う時に大事なことは、一つ一つの音を、正確な音程で、きれいに、十分に伸ばすことですが、美奈子さんは、曲毎にいろいろ変化させます。 アルバム「キャンセル」を例にとり、主に音を長く伸ばすところ(ロングトーン)に注目します。
●キャンセル
ビブラートを弱めかほとんどかけずに伸ばして、最後のところでくるっとまくような感じの場合が多い。
●Lovesong for somebody
ややビブラートをかけてそのまま伸ばす
●Bond Street
最初は、ビブラートを弱めで、最後のところだけ、ビブラートを強める。"Bond Street"という歌詞のところだけ、故意に強く、声を震わせる。
●涙をF.O.(フェイドアウト)して
ほとんどビブラートをかけずに、最後のところ、弱いビブラートをかける。