「the Cross-愛の十字架-」あたりでは、いろいろな歌い方を混在させて使っています。しかし、ちょっと、やりすぎと思えるところもあり、歌唱力誇示系が、ちょっと鼻につくという人もいました。

 美奈子さん歌い方は、のどの曲でも、少しずつ、あるいは大きく歌い方が違います。この後、歌唱の経験を積むにつれて、さらにいろいろな歌い方を身につけていきます。

 初期のころで、本当に歌唱力があると思ったのは、「夜のヒットスタジオ」という番組でGolden Daysを歌った時です。当時、録画したビデオを何度も何度もリピートして見て、何度も感動しました。実は、そのビデオは、手違いで消去してしまったのか行方不明になってしまいましたが、最近、人から見せてもらった録画を見せてもらうことができました。この時の歌唱は、CDに収録されているものより、良いと思います。

(2) WILD CATS時代

 商業的には、もう一つでしたが、このころは、アイドル時代からの歌い方が、ほぼ完成したものだと思います。
 ただ、バンドとしては、最初にCDを出した頃は全体的に今一と感じました。ボーカルだけが突出していたと思います。活動して2年後ぐらいだと、バンドとしてもしっかりしてきましたが、残念ながら、売れ行きが伸びないまま解散してしまいました。
 このころの美奈子さんのボーカルは、大変迫力のあるものでしたが、「力まかせ」という感じがあり、あのまま続けていたら、そのうちのどをつぶしていたかもしれません。
 力だけでなく、発声や声の出し方の細かいところまで、アイドル時代の歌唱法の完成版という感じです。