姿勢改善のための運動療法
はじめに
近年、インターネットの普及やスマホの増加、デスクワーク、運動環境の現象などの生活様式の変化により正しい姿勢を維持することが難しくなっています。
正しい姿勢を取れなくなることで、筋肉や関節に負担がかかり、痛みが発生したり、人間本来の動きが制限されるため筋力が落ちて転倒や寝たきりになる、ロコモティブシンドローム" の原因となります。
【不良姿勢が原因でおこる身体の不調】
・なかなか治らない肩こり、腰痛
・膝の痛み
・つまづき、転倒
・スポーツにおける障害の原因
・スポーツパフローマンスの低下
そこで、姿勢を改善し、痛みなく、また、楽に体を動かせるための運動療法をご紹介したいと思います
◎正しい姿勢ってどんな姿勢?
正しい姿勢と聞いて、某お笑い芸人のような胸を突き出して腰を反るような姿勢を思い浮かべる方も少なくないと思います。しかし、本来の正しい姿勢とは、解剖学的に身体の目印を結んだ線重心線"が一直線であると考えられます。
<後ろから見た目印と重心線>
後頭隆起(後頭部)ー椎骨棘突起ー殿裂(お尻の割れ目)ー両膝関節の間の中心ー足首の間の中心
<横から見た目印と重心線>
耳垂(耳たぶ)ー肩峰(肩の外側)ー大転子(股関節)ー膝蓋骨関節面(膝のお皿)ー外果(外くるぶし)前方3?5センチ
●代表的な不良姿勢
さあ、みなさんは、悪い姿勢になっていませんか?
@がよい姿勢です。現代では、Cのような姿勢が多く、肩こり、腰痛、ぽっこりおなかの原因になります。
姿勢を改善し、動きやすい身体を作るには、体幹の支持力(安定性)と骨盤ー背骨ー肩甲骨が固まらずにスムーズに動くことが重要です!!
体幹支持トレーニング@
腹式呼吸
体幹トレーニングの基本。息を吸った際に、おへその下を膨らませ、ゆっくり吐き、おへその下に力を入れていきます。意識できてきたらお尻も力を入れて閉めましょう!
繰り返します
体幹支持トレーニングA
スーパースロー
腹式呼吸と同時に上体を少し起こし、よりお腹に力を入れるトレーニングです。
ももの前に手を置き、息を吸って、吐きながらゆっくり起き上がります。
体幹支持トレーニングB
ブリッジ
体幹を支持力と下半身の筋力を使うトレーニングです。
呼吸でおなかに力が入る状態を作ってから両足で踏ん張り、お尻、もも裏に力を入れてからだを持ち上げます。
膝から肩まで一直線になるようにしましょう。
動きトレーニング@
ペルビックチルト
骨盤を動かす練習のトレーニングです。
仰向けで骨盤に手をおき、前後に動かします。後ろに動かすときは、背中を床に押し付けるようにします。
前に動かすときは、背中にアーチを作るように動かします。
動きトレーニングA
肩甲骨動かし
肩甲骨を開いて(外転)、寄せる(内転)運動です。
立っている、または、座っている状態でまず、前習えの状態で手を前方に突き出します。すると肩甲骨は右の図のように開きます。次に肘を後ろに引くようにして肩甲骨を寄せていきます。このとき肩が上にあがらないように注意しましょう!
動きトレーニングB
スランプ動作
骨盤ー背骨ー肩甲骨を動かすトレーニングです。
座った状態で骨盤後傾ー脊柱後わんー肩甲骨開く(外転)からゆっくり骨盤を立て、背骨を伸ばし、肩甲骨を寄せていきます。頭の頂点を上に引っ張られるようなイメージを持ってください。