SA.KU.RA.N.BO 〜初デート〜










今日は、ちゃんと初デート。


昨夜から、何度もコーディネートした服を身につけて鏡の前で最終チェック。
髪の跳ね具合も万全。



ヨシッ。



ニカッと、笑顔を浮かべてみる。
思いっきり不自然だった。


自分でも分かってんだ。
ありえないくらいキンチョーしてんだよね。



そりゃそうでしょ。
ずっと片想いしてきた彼女がさ。俺のこと、好きだったんだよ?


あーあ。こんなことなら、も〜っと早くに告っとけばさ。
今頃ラブラブオーラを撒き散らしてたのになぁ。


でも、やっぱ・・・勇気なかったし。
いろいろあったけど、両想いにはなれたんだし。


大事なのは今からだよねっ!


なぁんて。
愚痴る俺に、大石が言ってくれたセリフだけどね。



『エージ。過ぎたことを残念がるより、これからを大切にすればいいだろう?
 せっかく、さんと両想いになれたんだから。
 過去を悔やむより、未来を大事にしたほうがいいだろ?』



大石ってさ。青学のお母さん・・・って言われてるけど。ホント・・・ぴったりだよ。
ちょっと年寄り臭いけど。大石に言われたら『そうだよな』って、納得できる。



とにかく。
これからは、いっぱいと過ごすんだ。
したかったこと、たくさんある。



映画を見に行ったり、買い物に行ったりしたい。
遊園地もいいにゃ。
できたら手作りのお弁当とか食べたいな。
誕生日とか、ふたりでお祝いしたり。
あー、電車で遠くに行くのもいいよね、海とかさ。



手も繋ぎたい。
髪とか・・・触れたい。
うん。いつか・・・抱きしめたいな。



う、ヤバッ。ちょっと、考えすぎ?
でもさ。でもさ。
めちゃめちゃ、好きなんだもんねっ。



鏡の前で、デレデレと百面相していたら時間が思いのほか過ぎていた。



ハッと我に返り、時計を見て焦る。



うわっ、初デートに遅刻は厳禁だぁ!



慌てて階段を駆け下りる。
居間から姉ちゃんが何か言ってたけど、それどころじゃない。
スニーカーの踵を踏んだまま外に飛び出した。



ちゃんが待ってるもんね♪



走るよ。大好きな君が待ってるから。
人ごみを器用にすり抜けながら、との待ち合わせ場所を目指す。



駅前の時計台下。



ね、会ったら何て言おう。


今日のデートはね、動物園だよ。
ふれあい広場で、ウサギとかハムスターとか可愛がろうよ。


あー、ドキドキする。
走ってるからだけじゃない。


好きだぁーって。


大きな声で言いたいくらい、大好きだよ。


早く、会いたい!





時計台の下。



綺麗な水色の服を着たが立っていた。
携帯を開いて時間を確認してから、小さく溜息をついてる。
華奢な肩に柔らかそうな髪が揺れていた。



夢を見ているような気持ちで近付いていったら、ふいに顔をあげたと目が合った。



ふわっと、彼女が微笑んだ。



ねぇ、花が咲くような笑顔って、こういうのを言うんだろね。



彼女が俺を見て、あんなに綺麗に笑ってくれるんだよ?
俺の存在がを笑顔にしてるって・・・自惚れていいよね。



すごく、シアワセだぁ。



!」
「英二クン」



初デート。


ね、ステキな時間を過ごそうよ。


いっぱい、いっぱい。


ふたりの時間を過ごそう!




















「SA.KU.RA.N.BO〜初デート〜」 

2005.05.06 




















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