3月7日

 引き続き、山賊のいる山がわからない。

 セーブルの領主に訊ねると、東にある山と言われた。

 あなたのいる街よりさらに東には行く事ができないのですが?

 しばらく付近をうろついて、やっと山を発見した。

 正確には街から少し西に行き、そこから北に行き、東に行くと見つけられる山だった。
 東という説明じゃ、わからないわい。

 山に入っても王子殿下の顔を見る度に、みんなが山賊だと叫ぶ。

 その事に1番怒っているのは、王子ではなくリオンのようだ。

 話しかけると、
「ニセモノを見つけたら堪えがきかなくなるかもしれないけど止めないでください」
と言われた。

 この言葉に、
「暗殺の教育を受けた私でも王子をお守りしてもいいですか?」
と訊かれた時に、了承を意味したあの最高の笑顔を浮かべる王子殿下が浮かんだ。

思う存分やっちゃってOK!

 山頂にニセモノはいた。

 魔法か何かで似せた顔を作ったのだろうと思っていたが、本当に元々の顔がそっくりらしい。

 王子殿下もびっくりした事だろう。
 王子殿下が青色の瞳で、ニセモノ(ロイというらしい)が金色の瞳だという違いはあるが兄妹のようにそっくりだ。

 リオンとロイの口喧嘩に巻き込まれる形で、王子殿下とロイと決闘する事になったが、無事に勝って山賊一味を確保した。

 この騒ぎには黒幕がいた。
 名前は出なかったが、大体想像はついた。

 黒幕がゴドウィンでないのならば、こんな事を企みそうな奴は1人しかいない。

 サイアリーズ様も見当はついているらしく、その企みを逆手にとって首謀者をさらし者にするつもりだ。

 後日、セーブルに出現した山賊一味を倒すべく1人の人物が現われた。

 その名もユーラム

 ・・・やはりそうだったか。

 見晴らしの良い場所で演説した後、飛び降りて着地失敗。
 ヨロヨロしながら出てきた。

 腕ですか?
 腕が痛いのですか?


 ユーラムの計画では、ロイが自分に倒されて英雄となる予定だった。
 しかし、目の前にいるのはロイではなく王子殿下であるため、その計画に従う理由も無い。

 ボコボコにのした。
 (というよりはユーラムの攻撃では1ダメージしか受けないので、逆にやられる演技する方が難しい)

 その後、このニセモノ王子ロイが仲間になった。

 ロイの言っていた事とユーラムの言っていた事が微妙に噛みあっていなかった事が気になる。
 (裏切り者の可能性をイチイチ疑う疑心暗鬼人間)

 しかし、ニセモノ攻撃という協力攻撃ができるため、ロイは1軍になりそうだ。

 影武者として雇われたのに、本人といつも一緒じゃ意味ないな。

 今考えたのだが、王子殿下が不老になってしまった場合、没するまでの影武者の役を負いそうだなと思った。

 リムにこの2人で会いに行ったら驚くだろうなと思って、気付いた。
 リムの事すっかり忘れていた。

 兄失格。

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