3月28日

 黄昏の紋章の所有者は、やはりセクシーな叔母様サイアリーズだった。
 そこまでは想像通りだったが、彼女の髪色が銀色になっていたのは予想外だった。

 叔母様は元々この髪色で、今までの茶髪は染めていたそうだ。

 そう言われれば、外国人を父に持つリム以外の王族は銀髪だ。

 王子殿下の母とは異母か異父の姉妹なのかもしれないと昼ドラのような想像をしていたのだが、違うのか。

 今回、銀髪のサイアリーズが黄昏の紋章を宿した事で、ワシの中に1つの疑念が浮かんでいる。

 太陽の紋章とその眷属って単に銀髪が好きなだけじゃないのか?

 そういえば、真の紋章の1つである「月の紋章」を宿すシエラさんも銀髪だ。

 真の紋章は銀髪マニアか?

 自分(王子殿下)の所有している紋章に銀髪マニアの疑念を抱きながら、サイアリーズとの戦闘を開始した。

 これ、倒してしまっていいのだろうか?
 某人物との対決の時のように、1度でも攻撃をしてしまうとバッドエンド確定になる事はないのだろうか?
 幻水2のジョウイ君との対決の事です。
 そんな事を考えてしまい、全員攻撃せずに防御の体勢をとっていたが、叔母様は無遠慮に黄昏の紋章で攻撃してきた。
 攻撃の目標は常に王子殿下だ。

 ・・・実は嫌われてる?

熱っ!


 助けたり、1点集中攻撃をしたりと、本当に訳のわからない叔母様だ。

 この人の真意は今もわからない。

 攻撃を加えてもペナルティは発生しないだろうと予測できた時点で、全員防御をといて滅多打ちにした。
 いくら相手が紋章を持っているとはいえ、1対6で滅多打ちとはどちらが残虐非道集団なのか本当にわからない。

 戦闘終了後、叔母様は足元がフラフラしていたが、亡くなるダメージではないようなので安心した。

 ゼラセが黄昏の紋章をそんな風に使うなと怒っていたが、サイアリーズは煙にまいて逃走した。
 「追いなさい」と慌て、「追えない」とゲオルグに駄目だしされるゼラセを見た。

 いつもゼラセに見下されていた者としては、少しスッキリした。

 よくやってくれた、叔母様。

 このような経過で、ストームフィストを完全に掌握した。



 しばらく国内の掌握地を見回った後、本拠地の自室に戻るとイベントが発生した。

 レインウォールにいる兵士を引き上げさせる事を、サイアリーズが伝えにバロウズ家にやってきた。
 そのついでに叔母様はサルム(ユーラムの親父)を黄昏の紋章で殺害して帰った。
 ユーラムは無能なので、ほっといても自滅するだろうという事で放置。

 ここで思った。

 サイアリーズの目論みは戦争後にあるのかもしれない。
 ゴドウィンが指揮しているとはいえ、建前上は女王のリムが今までの悪政をやっている事になる。
 王子殿下の軍がゴドウィンを倒した時、女王の処遇がどうなるかはわからない。

 罰を受けるのかもしれない。

 だから王家の中でそれ以上に悪い人が必要となる。
 その役目を買ってでたのがサイアリーズ。
 そう信じたい。

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