目明し編(16)

 悟史失踪から1年後、詩音はまたバイクを蹴り倒した。
 再度、バイクのドミノ倒し発生。

 君は何回同じ事をやれば気が済むんだ。

 この話が本当に「綿流し」編に直結している場合、持ち主は計3回バイクを蹴倒される。
 少し哀れだ。
 (盗品だったような気もするが)

 案の定、日本語らしき言葉を発する方々に絡まれる詩音。
 絡まれながら、詩音は同じ状況で悟史が助けに来てくれた事を思い出している。
 余裕ですなぁ。

 しかし、1年後である今、雛見沢に存在するであろう例の奴は勇敢に立ち向かうタイプではないぞ。

 そう思っていたのだが、例の奴「前原圭一」は予想に反し詩音を助けに来た。
 しかも勇敢だ。

 待望の立ち絵初お目見えに対する喜び。
 そして、悟史と比べると野性的だと評価された事に対する複雑な気分。
 (ワシは個人的にトミーっぽいと思っている)

 しかし今は、上記の感情よりも圭一が勇敢に立ち向かっている事に驚きを隠しきれない。

 どうした圭一?
 お前らしくないぞ。

 しかし、圭一は自分が絡まれそうになった途端、弱腰になった。

 そうだ。
 それでこそ圭一だ!


これぞ圭一


 まあ、圭一が勝算もなく立ち向かう訳もなく、口で時間稼ぎをしている間に別の人が助けを呼びに行っていた。
 さすが口先の魔術師。

 個人的には勝算のない戦いに真正面から挑む悟史より、情けなくても上手く立ち回って勝とうとする圭一の方が好きだ。
 尊敬するとまではいかないが、あれぐらい口が上手くなりたいもんだ、とは思う。

 だが、詩音は失望したみたいだ。

 幻滅される主人公、前原圭一。

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