目明し編(17)

 圭一が自分に人形をくれなかったという話をして、魅音は悲しんだ。
 その話を聞いて、詩音は羨んだ。

 これがきっかけとなり、詩音は…。
 うーん、これがきっかけッスか…。

 それから少し後、詩音は自分の背後に常に悟史がいると考え出す。

 この時点で今までの内容が「綿流し」編に似ているな、と嫌な予感はしていた。



 そして綿流し。

 詩音が圭一を祭具殿に誘うのを読み、
「断れ、断るんだ。圭一!」
とPC画面前で独り言を発する危険な奴にワシは成り果てていた。

Noー!!


 そんなワシの悲痛な叫びも届かず(当然だが)、圭一は「綿流し」編同様、祭具殿に侵入した。

 この祭具殿内部で詩音が妙な音をずっと聞いている。
 そういえば「綿流し」編でも詩音はそんな事を言っていた。

 この音は何なのだろうか?



 祭具殿侵入も無事(?)終了し、
「さよならトミー、さよなら鷹野さん」
という気分のまま、園崎家の宴会様子を見守る。

 詩音がここに泊まると言い出した。

 後で考えると、これが非常にまずかった。

 しかし後の詩音自身が、何を発端にしたとしても、いつかは自分がこうなっていただろうと考えている。
 だから避けようがなかったのかもしれない。

 それでもタイミングが異なれば、後々の最悪の状況には至らなかったかもしれない。
 そう考えると悲しい気分になる。



 悟史失踪にはやはり園崎家が絡んでいると確信した時、詩音は鬼となった。

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