目明し編(19)
今回の「目明し」編で一番驚いた事実は魅音が「魅音」ではなく、詩音も「詩音」ではなかった事だ。
「綿流し」編を読んでいた時から、どこかで入れ代わってはいるだろうと思ってはいた。
しかし「綿流し」編が始まる前から、魅音は「魅音」ではなく、詩音も「詩音」ではないなんて考えもしなかった。
デスノー●でレムがメスだと知った時ぐらい驚いた。

彼女達は幼少の頃、いつものように自分達を取替え、そしてそのまま「次期頭首」に刺青が入れられた。
つまり、生まれた時に魅音だった少女は今の「詩音」。
そして、詩音だった少女が「魅音」なのだ。
詩音こそが真の園崎家次期頭首。
そう言われれば、結構成程と納得ができる。
詩音の方がいつも上手だった。
邪悪さも含めて。
彼女が嫌悪する鬼婆に彼女が最も似ている。
そこでひとつ疑問がわく。
「魅音」となった詩音は、その入れ替わった日に刺青を入れる事を本当に知らなかったのだろうか?
「魅音」となった彼女は全力で否定しているが、どうでしょうかね。
ありえない事ではないと思う。
それにしても、これ程の爆弾を抱えていたのに、どうして今までは仲が良かったのかが疑問だ。
今までは「詩音」となった魅音が、「魅音」にそこまで魅力も感じなかったから上手くいっていたのだろうか?
自分が「魅音」だったなら悟史を救えたと考えた事が、抱え込んでいたものを爆発させる事になったのかな。
「魅音」に戻った彼女をもはや誰も止められなかった。
詩音だった「魅音」は順調に圭一を追い詰めていく。
まさか、あの時一緒に祭具殿に入った共犯者に追い詰められているなんて、圭一は思いもしないだろう。
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