目明し編(2)

 最初は「私」という人のモノローグから始まった。

 この「私」は詩音だろうか?
 「私」が自己紹介をしてくれないのでわからない。

 この「私」は一体何をしているのだろうか?

 「リスク」という言葉を使い、こっそりどこかを開錠しようとしている状況。
 少なくとも、良い事をしてはいないだろうな。



「落ち着け、詩音…」という文章がでた。

 あ、やっぱり詩音なのか。
 あんた何をしているんだ?

 やばい事に足を突っ込んでいるのかと訝しんでいると、ここが私立学園だという説明が出た。

 なんだ、そうだったのか。
 (何故かわからないが少しガッカリ)

「誤解がないように補記しておくが」と語り出す詩音。

 そうッスね。
 既に誤解は発生していたッス。
 補記してくれないと、ますます誤解していたッス。

 この学園はお嬢様学校だそうだが、その割に今までの詩音の脳内口調が汚いッス。
 ここの校風に染まれないんスか?
 …染まれないみたいッスね。

 だから、ココを脱出するために計画を立ててるんスか。
 しかも、その計画のためにみんなの前では貞淑ないい子のフリを?

 …。

 小悪魔だー!

妲己ちゃん風詩音


 やはり、この人は「綿流し」編のあの人だ。
 人をもてあそんで楽しんでいる。

 まあ、あの「綿流し」編で詩音と名乗っていた人が詩音なのか今でもわからないけどさ。

 背中にあるという刺青を見たら明白なのかもしれないが、見せるわけもない。
 よって、結局はわからないのだな。

 しかし、今ここで学園を脱出しようとしている、この人は間違いなく小悪魔だ。

 目の前に広がる学園警戒網という難題を楽しむ辺りが圭一に似ている。

 いや、違うな。
 部活メンバーに似ているのか。

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