罪滅し編(11)

 また礼奈のモノローグに戻った。

 2人の遺体を解体している。

 解体されたリナの姿が「祟殺し」編とは異なる。
 しかも、先程のTIPSを考慮すれば梨花の死亡理由も異なる。

 やはり、これは「祟殺し」編ではない。

 ふと思ったのだが「祟殺し」編でもリナを殺したのは礼奈なのだろうか?
 そうだとしたら、礼奈が沙都子の不幸の元凶だよな。

 いかん。
 本当かどうかもわからない推測で、また礼奈に憤慨しそうだ。



「私は、悪いことはしていない」
とモノローグ上で、礼奈は言い切った。

 うーん、礼奈は今までで凶行に走った2人に比べると理性的だ。
 そして、理性的であるせいか、その考えに共感できない。

 礼奈には、まだ他の選択肢があったはずだ。

 「祟殺し」編の圭一のように他人に極力頼ったが駄目だったわけではない。
 「目明し」編の詩音のようにどこにもぶつけようがない憤りがあったわけではない。

 魅音が語ったように自分の居場所を提供してくれる仲間がいるじゃないか。
 どうして頼らなかったんだよ、礼奈。

 「犯人の心情の理解は困難を極めます」と書かれた「目明し」編の犯人、詩音よりも礼奈の心情は理解し難い。

 魅音や梨花は(家族=仲間)だと言った。
 その場にいなかった沙都子もおそらくそうだろうと圭一は思った。
 そして、自分も(家族=仲間)だと改めた。

 でも、礼奈は(家族>仲間)ではないだろうか。

 父親に学校をサボりたいと言った礼奈の言葉がとても悲しかった。

 魅音たちの好意は一方通行な気がする。



 礼奈が解体作業(当然申告なし)により参加できないため、4人での部活となった。
 そこで4人でできるゲームとして麻雀が提案される。

 何故1番最初に麻雀が提案された?

 子供らしくドンジャラとかにしておけよ。

 しかも、参加者のうち2名の年齢は1桁。
 梨花ちゃんは何となく納得できるが、沙都子は何故知っているのだ?


 (本編読み進め)


 げ、やべ。

 紛失した麻雀の牌探しの話から発展して、絶賛解体中のゴミ山で宝探しをしようという話になっている。

 まずい。
 梨花ちゃんよ、話をそらせ。

 君なら何となくそんな事をした場合どうなるかがわかっていそうだ。

読者は梨花ちゃんを応援します


 でも、TIPSからすると既に諦めムードだったし何も言わないかな。


 (本編読み進め)


 ああ、幽霊が出るから行きたくないと梨花ちゃんが反対している。
 それは礼奈の事情を知っているからなのか?

 しかし、梨花ちゃんだけの反対では、他3人の意思は覆らず、ゴミ山に向かう事が決定した。
 ああ…。

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