罪滅し編(12)

 ここでレナの告白が終了した。

 罪滅し編の冒頭に時間が戻ったようだ。

 つまり、あの後の部活で遺体を発見し、現在に至るという事か。

 物語が全て終わった後に冒頭に戻るのかと思っていた。
 しかし、冒頭でさえ綿流しの祭りの前だったのか。

 いやだな、本当に部活メンバーで結託して遺体を隠蔽しそうな気がしてきたよ。


 (本編読み進め)


 全ての告白を終えたレナに対して、圭一が言った。

「でもレナ…。どうして、……どうして俺たちに相談してくれなかったんだよ?」

 うむ、そうですな。
 それはワシの言いたい事でもある。

 彼女は他の4人と比べると、仲間の扱いが明らかに軽い。

 そして彼女はその問いに対して、小馬鹿にした態度で答えを返した。

 いや、強がりなのだとは思う。
 それでも腹立つな。

 仲間に相談しなかった理由を問う圭一に礼奈は「ばーかばーか」と返した。
 それは、間接的にわしにも「ばーかばーか」と言っているのに等しい。

 心が狭いワシの中の礼奈株は更に下落。


 (本編読み進め)


 うーむ、悟史が殺人を犯したと決めつけた上での話を、その妹の前で話し始めたよ、この人。

 礼奈さん、あなたの方が無神経な気がするのですが…。

 それに自分が語る過去の悟史の話が全て真実だと言いたそうな口調だ。
 礼奈の主観が入っているから、それが真実かどうかはわからないと思うぞ。

 しかも、その時のメンバーの行動を礼奈は責める。

 …えーと、礼奈も同罪だよな?
 その時の事情で雛見沢に行く事ができず、最善を尽くせなかった詩音に責められるなら納得できる。
 しかし、礼奈に他メンバーを責める資格はない気がするのだが。

 礼奈の話は筋が通っているように見えるんだが、心情的に納得がいかないな。

 両者とも不幸な環境だった事には相違ない。
 しかし、愛人に家の金を根こそぎ奪われそうになっているのと、引き取り先の叔母から虐待を受けているのでは状況が全く違う。

 前者は表面上の家庭内は事が発生する直前までは平和だ。
 後者は常に家庭内がグッチャグチャだろう。

 どうして悟史のケースと自分を全く同じものとして考えるのだろうか?

 先ほどからの礼奈は「自分は正しい」と譲らず、他を見下している感じがしますな。
 だからなのか、礼奈に感情移入できない。

 そのせいで、「目明し」編の最後にきた鼻がツーンとなる現象が発生しない。
 冷静に礼奈の泣いているイベント絵を見る事ができた。

冷


 礼奈に冷めてしまった分、圭一がとても格好良くみえる。

「この俺が叩き殺してやったッ!!」
と圭一が発した言葉を礼奈は嘘だと言ったが、嘘じゃないでしょうな。

 おそらく昭和57年に圭一がいたら、彼は戦っただろう。
 他の編の圭一を見ているから、それは間違いないと思える。

 それが狂気にならないかは保証できないけれど、だ。

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