綿流し編(5)

 圭一が不幸になる様を見たくない。
 そのため、綿流しの夜が近づいてくるとプレイの進度が遅くなってきた。

 もし、圭一が「鬼隠し」編と似た結末になってしまったら…。

 話を先に進めたくないな。

 そうは思っても、進めない訳にもいかないので渋々先に進めた。



 綿流しの祭事に紛れて、トミーが倉庫破りをしていた。

 「鬼隠し」編の時もやっていたのだろうか?
 でも、あの時のトミーは梨花ちゃんの演舞を写真に撮っていた。
 という事は、倉庫破りはしていない?
 どうなんでしょうね。

 祭具を見に行こうと詩音(得体の知れない感じがするが、嫌いではない。むしろ好き)に誘われる圭一。

 駄目だ、断れ圭一!

 物語の流れ上、断るわけがない事を重々承知してはいるが思わずにはいられない。
 あぁ、祟られる原因ができてしまった。



 鷹野さんから嫌な話を聞いた。
 「綿流し」は、元来人間の臓物を指す「腸(わた)流し」だという。

 うわぁ、それは圭一だけではなく、ワシも聞きたくなかった。
 気味悪いよ。

 それでも十分なのに、更に嫌な話をする鷹野さん。
 綿流しで使う「ワタの入った布団」は何を指すかと圭一に問う。

 布団のシーツ内に人間の臓物を入れたものか?
と思ったワシは、自分で言うのも何だがアッパレだ。

 元々臓物の入っているモノ、つまり「人間」であるという本当の正解より気味が悪い。

誰が寝るんや


 そしてトドメは、梨花ちゃんがやっていた演舞。
 あれは人間の解剖を意味するそうだ。

 ぎゃあああ!

 そうとは知らず、「鬼隠し」編の時も演舞を微笑ましく見守っていたじゃないか。

 鷹野さんの話は更にエスカレートしていく。
 もはや雛見沢村とは何の関係もない凄惨な処刑方法の説明に入っている。

 やめてくれ気持ち悪い!
 そんなこと知りたくないっつーの!
 しかも笑顔で話すな、笑顔で!

 違う方向で雛見沢村の人よりも怖いよ、鷹野さん。



 ただ、話を聞いているうちに思った事もある。

 その一連の儀式はダム工事の監督が殺された時と遺体の状況が似ていないかという疑問。
 それと、オヤシロさまが穏和な神様だという話に対する驚き。

 ワシは、さぞや怒りっぽい神様なのだろうなと思っていた。
 些細な事で怒り、「祟りじゃー」と叫ぶ神様を連想していた。
 何だ、違うのか。

 しかし、雛見沢村の人に人外の血が入っているというのは「鬼隠し」編で想像できていた。
 よって、そこまで驚かなかった。

 まあ、この話はあくまで伝承であり事実ではないのかもしれないけどね。

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