綿流し編(6)

 倉庫から出た。

 皆でのんきな話をしていても、のんきな音楽が流れても、ワシの心は落ち着かない。

 もう駄目だ、この人達。
 死にますな。

 この4人の行く末が不安になってきた。

 行く末は気になるが、続きは見たくない。
 見たくないけれど、見なければ話が進まない。

 何だ、このジレンマ。

 この後、どんな凄惨な事が起こるのだろうか?
 …嫌だ、考えたくない。

 死因はせめて「鬼隠し」編程度の凄惨さにしてほしい。
 本音を言えば、アレでも許容範囲オーバーですがね。



 話もひと段落し、TIPSを読む。

 やはり誰かが死んだようだ。
 でも状況が「鬼隠し」編と異なる。
 殺されたのは誰だろうか?

 それにしても人が殺されて嬉しそうな大石さんは不謹慎ッスね。



 TIPS後、話を進めると魅音がレナの時と同じようなヤバげな瞳になった。

 早っ!

 もうそれになるんスか?
 今回はヤバげな瞳の登場が早いなぁ。



 「鬼隠し」編と同じく大石さんが圭一に接触してきた。
 大石さんから聞いた「魅音と詩音は極道の娘」という、あまり事件とは関係のない情報ですごく驚く。
 それも気になるが、今は大石さんの口から早く犠牲者の名前が聞きたい。

 しかし、圭一は倉庫への不法侵入という罪に対してビクついているようだ。

 違う!
 ビクつく所が間違っているよ、圭一!

 結局、大石さんの口から犠牲者の話は出なかった。



 その後、被害者の名前は詩音から聞いた。

 そうか、死んだのはやはり鷹野さんとトミーか。
 「鬼隠し」編と一緒だ。

 あれ?
 でも、鷹野さんは焼死体で見つかった。
 という事は行方不明になった訳ではないのか。
 そこは違うな。

 富竹さんの死因は「鬼隠し」編と一緒…かな?

 それにしても圭一は見苦しいな。
 電話で詩音に八つ当たりするなよ。

 ブツッと電話が切れたのも、この状況じゃ怒って切ったのか、悲しくて切ったのかわからん。
 怒って切ったのだったら、すぐに圭一に何らかの事件が起きそうで怖いな。



 ここまでで、色々な人に祭具殿に侵入した事を追究されている気がする。
 どうして圭一達が侵入した事を知っているのだろうか?
 隠しカメラか盗聴器でも仕込んであったのだろうか?

 その疑問の答えも知りたいが、今は詩音に謝るために圭一は興宮に下りてくれ、と思っていた。

 しかし、他の人達と同じく祭具殿侵入の件を尋ねてきた梨花ちゃんの
「猫さん(たぶん圭一の事)はボクが守ってあげます」
という、あまりにも頼りがいのある一言にスポーンと詩音の件は吹っ飛んだ。


あなたが神か?


 梨花ちゃんの思考は結構大人だ。

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