それから、僕は色々な情報を彼(でいいのだろうか?)に教えた。
名前、性別、年齢、その他イロイロ。
「それにしてもチカラっていう字でリキって名前。見事に名前負けしてるよな」
「・・・名前の事は放っておいてください」
そんなたわいもない話をしているうちに僕の周りにキラキラと光が降ってきた。
「お、登録完了したな。決定したぞ。あんたのゲーム開始時の職業は『魔法使い』だ」
「魔法使い?」
聞いた事はある。
怪しげな呪文や薬で科学の力ではできない事をする人だ。
「ほら、見てみろよ」
暗闇の中からスーッと鏡が出てきた。
その鏡の中には先程までは見えなかった僕の体があった。
「あ、あれ?」
僕の髪は黒髪で、瞳は濃い茶色。
赤いチェックのシャツにズボンという服装だった。
確かに顔形は同じだ。
だけど、その鏡の中の僕はおかしかった。
髪の色はまっ青。
瞳の色は薄い赤。
頭には赤のハチマキを巻き、白いダランとした服を着て、その上に髪の色と似た色の青いマントを羽織っている。