自作パソコンを買おう!

手順3:機能を選ぶ

CPU編


CPUの選び方

CPUは、種類とクロック(速度)により、大変多くの種類があります。


CPUの種類

まずはCPUの種類を見て見ましょう。
下の表は、現在、実質的に購入可能で自作パソコンのCPUとして使用できるCPUの表です。

Intel Pentiumシリーズ Intelの普及型CPUのシリーズ
です。自作パソコンで最もよく
使われます。機能別に4種類
ラインナップされています。
Pentium Extreme Edition 最高級品。同シリーズでは最高の性能
Pentium D 新世代CPU。デュアルコア。
Pentium 4 シングルコアのCPU。同じな前でも機能違いで
いくつか種類がある。
Pentium M モバイル用。省電力機能に優れている。
世代的にはPentium 4より半歩くらい進んでる。
Celeronシリーズ Intelの廉価版CPUです。
Pentiumをややショボくした物と
考えて差し支えありません。
能力的には同じクロックで
Pentiumの75%程度の性能です。
Celeron D Dとは付いているが、どちらかと言うと、Pentium 4
に近い。シングルコア。
Celeron 正真正銘のPentium 4の廉価版。
Celeron M Pentium Mの廉価版。
Xeonシリーズ Intelのワークステーション向けCPU
です。高級品と考えてください。
Xeon Pentiumよりもマルチスレッド向けに最適化されている。
パソコン向けでは無い。
AMD Athlonシリーズ AMDの普及型CPUのシリーズ
です。やはり、自作パソコンで
よく使われます。機能別に3種類
ラインナップされています。
Athlon 64 シングルコアの普及型CPU。
Athlon 64 FX Athlon 64をゲーム向けにカスタマイズした物。
Athlon 64 X2 デュアルコアの新世代CPU。
Sempronシリーズ AMDの廉価版CPUです。
Athlon 64をショボくしたものです。
能力的には同じクロックで
Athlon 64の75%程度の性能です。
Sempron Athlon 64の廉価版。
Opteronシリーズ AMDのサーバー・ワークステーション
向けのCPUです。
高級品と考えてください。
Opteron サーバー・ワークステーション向けCPU。
マルチCPU構成が可能。パソコン向けでは無い。
GeodeNXシリーズ AMDの省電力CPUのシリーズです。 Geode NX Pentium Mと同程度の省電力機能を搭載している。
しかし、遅い。
VIA C3シリーズ VIAの普及型CPUです。 C3 5世代くらい前のCPU。
省電力・低発熱のCPUで、特殊な用途では良く使われる。
しかし、遅い。
※これ以外でも、幾つか有りますが、簡単に入手する事は難しく、また用途も特殊な物になるので、割愛しました。

大変多くの種類がありますが、見てお解りの通り、自作パソコン向けとして、普通選ぶのはPentiumかAthlonです。
CeleronとSempronは安く済ませるときの選択肢となります。

下の表は2つのCPUの一般的な比較表です。

Pentium Athlon
性能 クロックの割にあんまり速くない クロックは低いが速い
普及度 多い 少ない
価格 比較的安め やや高め
対応マザーボード 数は多いが、あまりバリエーションが無い 数はPentiumよりは少なめだが、バリエーションは豊富

表の性能の部分は、クロックが同一ならば、Athlonの方が速いですが、同じ価格帯の物になると、どちらも性能に大きな違いは見られなくなります。
ぶっちゃけて言うと、どちらを選ぶかは、完全に趣味になります。
大抵の人は、価格が安めなPentiumを選びますが、好みの問題ですので、どちらを選んでもかまわないでしょう。

CPUを選択する際には、具体例を挙げていくと、比較的楽に選択することが出来ます。

お金は掛かってもかまわないから人が持っていないような高性能の物がほしい OpteronもしくはXeon
噂の64ビットを体感したい Athlon 64
比較的安く済ませたい Pentium 4
安くはしたいが性能が悪いのはイヤ Pentium DもしくはAthlon 64
Intelは入っている Pentium 4
Intelは入っていない! Athlon
とにかく安くしたい CeleronもしくはSempron
電気代が気になる Pentium MもしくはCeleron M
サーバーとして使用したい Pentium MもしくはCeleron MもしくはGeode NX

CPUの速度

次にクロック(速度)に関して見てみましょう。

クロックは、通常FSB(ベースクロック)という、マザーボードの速度に対する倍数で決まります。
例えば、400の4.5倍ならば1800と言う感じです。
クロックは通常、MHz(メガヘルツ)と言う単位で表され、1000MHzを超えるとGHz(ギガヘルツ)で表されます。
同じ種類のCPUであれば、クロックが高い値の物ほど、高速になります。

しかし、今現在のCPU市場は、このクロックの部分において、大変解りにくくなっています。
Pentium 4 1.6GHzは、Athlon 64 1.2GHzと同じ位の速度というように、メーカーごとにクロックと実際の速度が食い違っているのです。
色々小難しい理由はありますが、それはここでは割愛します。
とにかく、クロックが全メーカーでの統一された基準とはならないのです。

では、どうすれば簡単に見分ける事が出来るのでしょうか?
一番単純なのは、同じくらいの価格なら同等くらいの性能と思えばいいのです。
もっと詳しく知りたいと言う方は、雑誌などでベンチマーク(性能テストの事)の結果を載せていたりしますので、そちらを参照するのもいいでしょう。

実際にCPUを選ぶ際に、どの程度のクロックを選ぶのが一番いいかというと、手順1で決めた、自分の目的の事をまかなえるくらいの物であれば
大丈夫です。
実際の話、Pentium 4の場合、1.6GHzを超えてくるあたりから、Windowsの通常の操作では、全く違いが出なくなります。
それは、Windowsが求める速度を大幅に越えているため、違いがわかりにくくなっているのです。
1.6GHzよりも高いクロックの場合、かなり時間のかかる処理にならないと違いがわかりにくくなります。
ムービー編集や3Dゲームなどを行わない方の場合、無理に高速なCPUを買うと、かえって無駄になります。

それと、パソコンの速度を決めるのは、CPUだけでは有りませんので、CPUばかりに関心が行ってしまうと、かえって遅くなってしまうなんて事も
まま有る事ですので気をつけてください。

下の表は、furufuruが考える、Pentium 4 を基準とした際に、各目的ごとでの妥当だと思うクロック数です。

3Dモデリング 速ければ速いほど良い
テレビ録画 2GHzくらい
ゲーム 2GHzくらい
ムービー作成 速ければ速いほど良い
グラフィック作成 2GHzくらい
音楽作成 1.6GHzくらい
プログラム作成 1.6GHzくらい
エクセル/ワード 1.2GHzくらい
家計簿/簿記 1.2GHzくらい
メール/インターネット 800MHz程度で十分

当然、それ以上で有れば全く問題ありませんが、それ以上にしても、別に動きが速くなると言うわけではなく、心なしか動作が快適?位の違いしか出ません。
速い物を選んでも、その恩恵にあずかれるかどうかは解らないと言うことに注意しましょう。

ちなみに、先を見越して高速な物を買う人が良く居ますが、furufuruの経験上、それは大抵の場合無駄に終わります。
なぜかと言うと、通常の人の場合、パソコンを買っても、最新のソフトをどんどん入れるようなことは無いからです。
CPUの速度を生かすのはあくまでソフトであり、ソフトに関して言えば、新しい物をどんどん入れる人はあまり居なく、むしろ古い物を何時までも使っている人の方が多いのです。
そういう人たちの新しいソフトを入れる理由は、大抵の場合、今使っているもので賄えなくなった時です。
そういう場合、大抵はそのパソコンを購入してから相当の時間がたっており、そのパソコンではその新しいソフトが動かない事の方が多いです。
また、買ったときの値段が高価な為、何とかして使おうとして、かえって選択肢を狭めてしまう結果に陥ります。
ですので、あまり先を見越しての高価な買い物は控え、むしろ、安く買い叩いた物をとことんまで使って、お得感を満喫した方が、精神的にも楽しい気分になるのでお勧めです。


CPUのダメな選び方

CPUを選ぶ際に、機能から選ぶのはあまりお勧めしません。
なぜかと言うと、その機能の恩恵を受ける事が出来る人は、それなりの専門知識が無いと難しいからです。
例えば、デュアルコアは実質的にデュアルCPUになりますが、デュアルCPUは、対応しているソフトがないと役に立ちません。
また、64ビット機能も、対応しているOSとソフトが無いと役に立ちません。
どちらも体感的に劇的に変わる要素とならないのです。

あまり高級すぎるCPUもお勧めしません。
CPUの価格は変動が激しく、半年も経つと劇的に価格が下がってしまいます。
値下がりはかなりのショックですので、あまり高すぎる物は止めた方が良いでしょう。
また、買ったときの値段があまり高くない方が、買い替えの時にすっぱり諦められます。

CPUの上手な選び方

これからパソコンをはじめるような、初心者やビギナーの方にお勧めな方法は、後でアップグレードする事を前提とし、まずは安いCPUで試して見るやり方です。
この方法だと、失敗しても痛手は軽くて済みますし、そのCPUに満足できれば、安上がりに済みます。
いきなり、PentiumやAthlonを選ばず、まずはCeleronやSemplonを選んで見る事をお勧めします。

中級者の方の場合は、自分の使い方に合った物を選ぶべきでしょう。
どうしても、速い物に目が行きがちになりますが、そこはぐっとこらえましょう。
どちらかと言えば、メモリを増やす方がパソコン全体にとって速度向上が見られる場合が良くあります。
メモリを減らしてCPUを高速にするくらいなら、メモリを増やした方が良いでしょう。
その上で、予算が余ったら、CPUのグレードを上げて見るのがいいでしょう。
ちなみに、CPUを選ぶ際には、2次キャッシュが多い物がお勧めです。
2次キャッシュはCPUの速度にものすごく影響を与えます。
ムービーなどのデータが一時方向へ大量に流れていくような物を除けば、ほぼ全てのプログラムで影響を受けます。
データを非常にランダムに使うようなプログラムの場合は、ひどい時には2次キャッシュが2倍有れば、半分のクロックで同等以上の性能が出てしまいます。

上級者の方は、私などが言うことは無いと思います。
心の赴くままに選べばいいと思います。

全体としては、常にお得なCPUを選んでいく事が重要です。
CPUには1MHzの単価と言う物が存在し、それが一番低い物(一番遅い物とは限らない)を選んでいけば、全体的に速度、価格ともに満足の行く物になります。
あまり長く使うものと考えず、2年ほどで寿命の尽きる物と考え、それに見合う値段の物にした方が良いでしょう。

ちなみに、furufuru的には、遅いCPUを快適に使うほうが、より上級者だと思います。
お金を出して速い物を買うのは簡単ですからね(笑)

CPU選びの際の注意

お店に行くと、CPUの種類のところにバルクもしくはBLKなどと表示されている物があります。
これはいわゆるバルク品と呼ばれる物で、正規のパッケージ品ではなく、商品が剥き出しの状態で売られているものです。
バルク品はパッケージが無い分、いくぶん安いのですが、CPUの場合ですと、CPUクーラーが付属しません。
静音仕様や水冷仕様などのCPUクーラーを別途購入する予定の方以外は、購入しない方が良いでしょう。
CPUクーラーとバルク品のCPUを別々に買うと、正規のパッケージ品より高くつくことがほとんどで、さらに、正規のパッケージ品に付属している物以外のCPUクーラーを使うと、万一の際に保証が受けられなくなる可能性があります。
さらに、状況によっては、CPUクーラーの冷却性能がCPU自体の発熱よりも下回った場合、CPU自体が破損する可能性も出てきます。
上級者の方以外は、バルク品でのCPUの購入は控えるべきでしょう。

中古のCPUは、場合によっては有効ですが、あまりお勧めできません。
古めのパソコンのアップグレードをお考えの方でしたら、対応するCPUも古めのになるため、正規の新品の購入自体が難しいと言う理由と、新品と中古品の値段格差がかなりあり、失敗しても痛手にならない程度の値段である(下手をすると1000円以下で買えてしまう)と言う理由から、中古も視野に入れますが、そうでないのでしたら、中古は控えた方が良いでしょう。
なぜなら、ちゃんと動かない可能性があるからです。
特に、オーバークロックなどで動かされつづけていた物など、一見ちゃんと動くようで、ある時突然動かなくなってしまう可能性が十分にあります。
前の使用者がどのように使用していたかまでは、見た目では解りません。
買って後悔するよりは、はじめから買わないほうが身のためです。

CPUのピン形状による注意に関してはマザーボードの選び方の項でご説明します。

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