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手順3:機能を選ぶ

メモリ編


メモリの選び方

次にメモリの選び方についてみてみましょう。
メモリも、CPUと同様、種類と容量で多くの種類が存在しますが、選び方は、さほど難しくありません。

メモリの種類

現在、メモリには大変多くの種類があります。
ですが、その多くの種類の中から、選べる物はほんのごくわずかです。
それは、マザーボードが対応する物しか選べないからです。

下の表は、自作パソコン用として一般的に売られているメモリの種類です。

SDRAM エスディーラムと読む。
前世代のメモリ。C3やGeodeNXでよく使われるメモリ。
PC100 100MHz動作の物
PC133 133MHz動作の物。100MHzでも可
DDR-SDRAM ディーディーアール・エスディーラムと読む。
SDRAMのデータ転送能力を2倍にした物。
現在の主流。
PC2100(DDR266) 266MHz動作の物。133MHzの2倍。
PC2700(DDR333) 333MHz動作の物。266MHzでも可
PC3200(DDR400) 400MHz動作の物。266/333MHzでも可
PC4300(DDR533) 533MHz動作の物。266/333/400MHzでも可
DDR2-SDRAM ディーディーアールツー・エスディーラムと読む。
次世代のメモリ。
DDR-SDRAMを性能強化した物。
PC2-4200(DDR2-533) 533MHz動作の物。
PC2-4300(DDR2-533) 533MHz動作の物。PC2-4200(DDR2-533)と同等品
PC2-5300(DDR2-667) 667MHz動作の物。533MHzでも可

メモリは、それぞれの種類で、物理的に形状が違い、マザーボードが対応しているメモリ以外は使用する事が出来ません。
しかし、対応している物が決まってしまっているため、逆に悩む必要もありません。

速度(MHz動作というところ)に関しては、CPUのFSBによって決まります。
FSBは、マザーボードによって使えるCPUが決められており、そのCPUのFSBにあわせる必要があるため、メモリ側には選択の余地は有りません。
これはかえって、決まっている物があると言う事ですので、選択する必要も無いので楽になります。

DDRと名のつくメモリに関しては、通常、同容量の物を2枚一組で使用するメモリです。
1枚ずつでも使用できますが、1枚ずつだと、パフォーマンスが落ちます。


メモリの容量

メモリの容量は、通常32MBからの倍々で上がっていきます。
32/64/128/256/512/1024と増えていきます。
現在だと128からが最低の値となります。

容量は、有って困る物では有りません。
出来るだけ多いにこした事はありませんが、多いと当然値段も張ってきます。
現在の物だと、512MBくらいが最も良い容量です。


メモリの上手な選び方

メモリ選びのコツは、出来るだけ最新の、容量の大きい物を選ぶ事です。

また、CPUのFSBが低い物(CeleronやSemplonなど)を選ぶ場合は、1ランク上の速度のメモリを選ぶ事をお勧めします。
具体的にいえば、DDR-SDRAMを選択する場合は、PC3200以上の物を選択しましょう。
これは、CPUをアップグレードする際に、メモリの速度が合わなくなってしまい、メモリも一緒に買い換える羽目になってしまうからです。
メモリの速度は、基本的には下位交換されるため、早いものを選んでもあまり損になる事はありません。
やや値段は高くなりますが、アップグレードを考えるならば、後々のために速い物を選びましょう。

メモリの種類による速度はあまり気にしない方が良いでしょう。
具体的にいうと、Athlonを使いたいのに、メモリをDDR2-SDRAMにする為に、仕方なくPentiumを選ぶ、と言うような必要は無いと言うことです。
なぜなら、メモリの種類による速度の違いは、あまりパソコン全体の速度には関係ないからです。
普通にパソコンを使う上では、メモリの速度が遅いために、全体が遅いと感じる事はありません。
むしろ、容量が少ないせいで、遅いと感じる事の方が多いです。

最新の大容量を選ぶ理由は幾つか有ります。

まず挙げるのは、グレードアップする際のメモリの再利用を考えてです。
メモリはCPUよりも、その進化の速度が遅く、次世代のパソコンでも同じ種類のメモリが使われることが良くあります。
また、CPUの種類を変えるときでも、同一の物が使える可能性が大いに有ります。
メモリは大いに取り回しの利くパーツなのです。
しかし、やはり古すぎる物は使えなくなっていってしまうので、取りまわせる期間を延ばすという意味で、出来るだけ最新の物を選ぶべきでしょう。

次に容量ですが、やはり取り回しを考えると、世代が進むにつれて大容量化が進んでいきますので、出来るだけ大きい容量の方が、後で取り回したときに、効果が大きくなります。
現在の512MBが主流の時代に32MBくらい付け足しても、あまり意味は無いでしょう。
それと同じ理由で、後々でも使えるように、出来るだけ容量の大きい物を選ぶべきです。

さらに、大容量のメモリは、パソコン全体に与える影響が大きいのです。
Windows2000は、起動するだけで約80MBものメモリを消費します。
通常、Windowsはメモリが足りないと、メモリの情報をハードディスクに書き出し、必要になると再度読み込む、メモリスワップと機能を実行します。
これは、パソコンの速度を著しく落とす機能で、メモリ不足は補えますが、使用者には、かなりのストレスになる物です。
この機能は、メモリの量によって頻度が変わるため、出来るだけ大容量の方が有利になります。

そして、大容量のメモリは、後の拡張でも有利になります。
マザーボードに載せる事の出来るメモリの枚数は決まっており、それ以上の容量を増設する場合は、以前の容量の少ない物を取り外し、容量の大きい物と取り替える必要があるのです。

 例
  マザーボードに搭載できるメモリの枚数=4枚
  現在搭載されているメモリ=128MB × 4枚(512MB)
  新規搭載枚数=256MB × 2枚(512MB)
  合計容量=128MB × 2枚 + 256MB × 2枚(756MB)

上記の例だと256MBも無駄になってしまいます。
つまり、マザーボードの載せる事の出来る搭載枚数よりも少ない枚数で、満足行く量を確保する方が、後々大変有利になるのです。

メモリ選びの際の注意

お店に行くと、以下のような形でメモリは販売されています。

箱入り品 正規品 パソコンメーカー・パソコン周辺機器メーカーなどが販売している
メモリで、ちゃんと箱に入っている。各メーカーで独自の保証をしている。
とにかく高いが保証がしっかりしている
メジャーチップ バルク品 メモリメーカーなどが販売しているメモリで、卸し品のような物。
メーカーの保証は無きに等しいが、中身は箱入りと大して変わらない品。
お店によっては、メジャーチップとは書かずにメーカー名で書いてある
ところも有る。
比較的安くて、相性問題が出にくい品
ノーブランド バルク品 かなり怪しい品。と、言っても、別に犯罪絡みではない。
いわゆる一つの粗悪品と呼ばれる部類の物。
とにかく安い。
壊れてはいないが、相性が出る確率が高い

メモリは、自作パソコンの場合、ほとんどがバルク品を購入する事になります。
箱入り品は、価格がバルク品とあまりに開きがあるため、買う理由がありません。

メモリは、たとえ箱入り品であろうとも、マザーボードと相性が出る可能性があります。
メモリの相性は、自作パソコンの中でも最も出やすい問題の一つで、回避は不能です。
しかし、メジャーチップを選べば、ある程度、そのリスクを減らす事は可能です。
メジャーチップのメモリは、多くのマザーボードメーカーが動作検証で使うので、比較的相性が出にくいです。
ノーブランドでも、動く可能性がありますが、かなりの賭けになるので、出来るだけ避けるべきでしょう。
たまたま動いたとしても、後々マザーボードを交換したら動かなくなったなんて事も有りますので、止めた方がいいです。

メジャーチップでもやっぱり相性が怖いと言う方は、相性保証と言う、お店独自の保証をしているお店もありますので、そういった物を活用すれば、リスクはさらに減らす事が出来ます。
また、マザーボードメーカーのホームページなどで、動作確認が取られているメモリチップを載せている事も有りますので、確認して見るのも手です。

メモリの相性を減らす工夫として、なるべく同じ製造元のメモリを使うと言うのも有ります。
むしろ、製造元の違う物、チップメーカーの違う物を混ぜると、うまく動作しない事がものすごく良くあります。
簡単にいうと、同じ店で同じ種類のメモリをいっぺんに買いなさいということです。
増設する場合は、どうしても購入時期がずれてしまうので同じ物が入手しにくくなりますが、同じ物を入手できるのに、わざわざ別々のお店で1枚ずつ別々に購入するような事は避けましょう。
同じ種類のメモリでも、お店ごとで、製造元が違う場合がほとんどですので、出来るだけ同じお店で買いましょう。

中古品は、選択肢としては有りですが、あまり意味をなしません。
バルク品のメモリは価格が安いので、中古品との価格差があまり無いのです。
下手をすると、中古品のほうが高い場合も良くあります。

メモリの容量にも若干注意があります。
マザーボードには1枚のメモリの容量の上限が有ります。
通常は、あまり気にしなくても良い制限ですが、古めのマザーボードを使用する場合などでは、特に注意が必要です。
大抵はマザーボードのマニュアルに書かれていますが、マザーボードの説明書きにある搭載上限値を、そのマザーボードのメモリスロットで割った値で計算すれば、大抵の場合は大丈夫です。
まれに変則的なものも有りますが、購入の際にお店の店員さんに確認すれば、教えてもらえますので安心してください。
最近の物ですと、1枚で1GBを越える容量の物は注意した方がいいかもしれません。

また、使用するOSにも、若干の注意が必要です。
WindowsMe/98/95を使用する場合は、1GBを超える容量は認識しない可能性があります。
回避の方法もありますが、色々と専門的な知識が必要になってくるので、WindowsMe/98/95を使用する場合は、1GB以下に抑えるようにした方が良いでしょう。

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