
自作パソコンを買おう!
手順3:機能を選ぶ
マザーボード編
マザーボードの選び方
マザーボードは、パソコンの中で最も重要なパーツであり、最も選ぶのが難しいパーツでもあります。
しかし、コツさえ掴めば、恐れるほどの物では有りません。
マザーボードの種類
マザーボードの種類の分け方は、幾つかの段階に分けられます。
まず、ソケット(CPUを装着する所)の形状で分類し、その中からさらにチップセットによって分類し、最後のマザーボードの形状で分類します。
マザーボードのソケット
まずは、ソケットによる分類の説明をします。
CPUは、その種類とは別に、マザーボードに搭載するための形状と言うのを幾つかの種類でもっています。
以下が、現在、選択できるであろうソケットの形状です。
| Intel/VIA | Socket 370 | Pentium 3 Celeron C3 |
入手性:☆☆ 価格:☆ Pentium 4以前の規格の物。この表のIntel製の物では一番古い |
| Intel | Socket 423 | Pentium 4 | 入手性:☆ 価格:? Pentium 4創成期のソケット。入手は中古以外ほぼ不可能。 |
| Socket 478 | Pentium 4 Celeron |
入手性:☆☆☆☆☆ 価格:☆☆ Pentium 4熟成期のソケット。数も多く種類も豊富。 |
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| mPGA 479m | Pentium M Celeron M |
入手性:☆☆☆ 価格:☆☆☆☆ これから成長が見込まれるソケット。まだ数も少なく種類も無い。 価格もまだまだ高価な物。 |
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| LGA 775 | Pentium Extreme Edition Pentium 4 Pentimu D Celeron Celeron D |
入手性:☆☆☆☆☆☆ 価格:☆☆ 現在のIntelの主力ソケット。 種類も豊富で、新製品が頻繁に出ている。 |
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| Socket 603 | Xeon | 入手性:☆☆ 価格:☆☆☆☆☆ Xeonの旧世代ソケット。 Xeonは世代交代が遅いためまだ現役で頑張れるソケット。 furufuruも持ってます(笑) |
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| Socket 604 | Xeon | 入手性:☆☆ 価格:☆☆☆☆☆☆ Xeonの最新ソケット。 サーバー用であるため非常に高価。 種類もあまり無い。 |
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| AMD | Socket A | Athlon Duron Sempron Geode NX |
入手性:☆☆ 価格:☆ AMDの旧世代ソケット。 まだまだ現役で頑張れるが、古いため数は激減している。 価格はかなり安めである。 |
| Socket 754 | Athlon 64 Sempron |
入手性:☆☆☆☆☆ 価格:☆☆ AMDの主力ソケット。数も豊富で種類も多い。 |
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| Socket 939 | Athlon 64 FX Athlon 64 X2 |
入手性:☆☆☆ 価格:☆☆☆ AMDの次期主力ソケット。 対応CPUが高価なため、まだあまり普及していない。 |
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| Socket 940 | Opteron | 入手性:☆ 価格:☆☆☆☆☆ AMDのサーバー・ワークステーション向けソケット。 CPUが高価なためと、サーバー・ワークステーション向けのため あまり普及していない。 |
見てお分かりの通り、同じ種類のCPUでもソケットの形状が違う物があります。
これは、CPUメーカーの販売戦略と技術的な都合が重なっている為と思われます。
なにはともあれ、ユーザーにとっては迷惑この上ない話ではあります。
AMDはソケットに対してのCPUの住み分けが、Intelよりも明確で、しかも数が少ないので、選ぶには楽です。
では、どのようなソケットを選べばいいのでしょうか?
それは、使用したいCPUに合わせればいいのです。
ご自身が使用したいCPUが、どのソケットに対応しているかを調べ、そのソケットがついているマザーボードを選べば問題ありません。
あまり、深く考えすぎると、どれも手が出なくなってしまいますから(笑)
欲を言えば、なるべく最新の物が良いでしょう。
そうすれば、CPUを取り替える場合に、CPUが楽に入手できるからです。
しかし、無理をしてまで最新にする必要はありません。
CPUの世代交代はかなりスピードが速く、「取り替えたいなぁ」と思った時には、既にもうその種類のCPUは売っていないなんて事もザラです。
あまり最新に縛られずに自由に決めればよいでしょう。
マザーボードのチップセット
次にチップセットによる分類を見て見ましょう。
下の表はソケットごとの大体の対応チップセットです。
| Intel | VIA | SIS | ALI | ATI | NVIDIA | ||
| Socket 370 | 440シリーズ 810シリーズ 815シリーズ 820シリーズ |
Appolo Pro 133シリーズ Appolo Pro 266シリーズ |
SiS 630シリーズ SiS 635シリーズ |
Aladdin Pro4シリーズ Aladdin Pro5シリーズ |
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| Socket 423 | 845シリーズ 850シリーズ |
P4シリーズ PM8xxシリーズ PT8xxシリーズ ProSavageシリーズ |
SiS 640シリーズ SiS 650シリーズ SiS 670シリーズ |
ALADDiN P4シリーズ M1683シリーズ M1695シリーズ |
RADEON IGP 330シリーズ RADEON IGP 340シリーズ |
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| Socket 478 | 845シリーズ 850シリーズ 865シリーズ 875シリーズ 910シリーズ 915シリーズ 925シリーズ 945シリーズ 955シリーズ |
P4シリーズ PM8xxシリーズ PT8xxシリーズ ProSavageシリーズ |
SiS 640シリーズ SiS 650シリーズ SiS 670シリーズ |
ALADDiN P4シリーズ M1683シリーズ M1695シリーズ |
RADEON IGP 330シリーズ RADEON IGP 340シリーズ RADEON 9000 proシリーズ RADEON 9100 proシリーズ |
nForce4シリーズ | |
| mPGA 479m | 855シリーズ 915シリーズ |
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| LGA 775 | 910シリーズ 915シリーズ 925シリーズ 945シリーズ 955シリーズ |
P4シリーズ PM8xxシリーズ PT8xxシリーズ |
SiS 640シリーズ SiS 650シリーズ SiS 670シリーズ |
ALADDiN P4シリーズ M1683シリーズ M1695シリーズ |
RADEON IGP 330シリーズ RADEON IGP 340シリーズ RADEON 9000 proシリーズ RADEON 9100 proシリーズ |
nForce4シリーズ | |
| Socket 603 | E7200シリーズ E7500シリーズ |
||||||
| Socket 604 | E7500シリーズ |
| AMD | VIA | SIS | ALI | ATI | NVIDIA | |
| Socket A | AMD760シリーズ | Appolo KTシリーズ Appolo KMシリーズ Appolo KLシリーズ |
SiS660シリーズ SiS730シリーズ SiS740シリーズ |
MAGiK 1シリーズ | RADEON IGP 320シリーズ | nForceシリーズ nForce2シリーズ |
| Socket 754 | AMD-8000シリーズ | K8Tシリーズ KT8xxシリーズ K8Mシリーズ |
SiS750シリーズ SiS760シリーズ SiS770シリーズ |
M1687シリーズ M1695シリーズ |
nForce3シリーズ nForce4シリーズ |
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| Socket 939 | K8Tシリーズ | SiS750シリーズ SiS770シリーズ |
M1695シリーズ | RADEON XPRESSシリーズ | nForce3シリーズ nForce4シリーズ |
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| Socket 940 | AMD-8000シリーズ | K8Tシリーズ KT8xxシリーズ K8Mシリーズ |
SiS750シリーズ SiS770シリーズ |
M1687シリーズ M1695シリーズ |
おそらく、「訳が解らん」とお思いになるでしょう。
そうなんです。
訳が解らないのです。
表中でシリーズと書かれているのは、そこからさらに細かく分かれるということです。
また、はじめの前置きで「大体の表」のと言ったのは、マザーボードメーカーの頑張りで、対応外のCPUのサポートや、規格外の使い方をした物など、
大量に有り、もはやどれがどれなんだか解らない状態なのです。
では、どうやって選べばいいのでしょうか?
それは、機能です。
いくら沢山種類があっても機能はそんなに種類があるものではありません。
ですので、機能の優劣で選べば言いのです。
また、これは非常の重要なのですが、チップセットがマザーボードの全ての機能を決めるわけではありません。
マザーボードによっては、基板上に別途、その用途向けのコントローラーチップを搭載し、チップセットには無い機能を追加している物も数多くあります。
一概にチップセットだけで能力が決まる物でも無いのです。
マザーボードの機能
では、マザーボードの機能を見ていきましょう。
以下の表は、一般的にマザーボードが搭載している機能の表です。
マザーボードによっては搭載されていない物もありますので注意してください。
| 名称 | 搭載 | 説明 | 備考 |
| CPUソケット | 必須 | これが無いと始まりません。 たまに無いのも有りますが、そういう場合はCPUがマザーボードに 直接付けられていますので、大丈夫です。 普通、1つですが、稀に2個とか4個とか付いているのもあります。 |
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| メモリスロット | 必須 | これも無いと始まりません。 大体1〜4本ついています。 多いのもだと8本付いているのもあります。 |
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| IDEコネクタ | 必須 | これも無いと始まりません。 ここに、ハードディスク/CDドライブなどの外部記憶装置をつけます。 通常は2つ付いており、別途コントローラーがつけてある物だと、 3〜4付いている事があります。 通常、1つのコネクタに2つの機器を取り付ける事が出来ます。 |
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| FDDコネクタ | 必須 | ごく稀に付いていない物がありますが、普通はついています。 フロッピードライブをつけるための物です。 普通、マザーボードに1つ付いています。 |
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| シリアルATAコネクタ | IDEコネクタの代わりをする物で、主にハードディスクを接続します。 IDEよりも高速に動作する次世代インターフェースです。 通常は2〜4個ついており、場合によっては6個以上搭載している 物もあります。IDEと併設が可能で、非常に便利です。 |
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| AGPスロット | グラフィックボードを装着するためのスロットです。 最近は無い物も多く見られます。 通常、VGA機能を搭載している物、PCI Expressスロットには有りま せん。前世代のスロットです。 |
別途説明有 | |
| PCI Expressスロット | 新世代のスロットで、現在は主にグラフィックボードを装着するために 使用されています。 PCIとは交換性は無く、PCI Express専用のカードのみ挿す事が可能で、 速度に応じて、何種類かのタイプに分かれています。 今後の主流スロットです。 |
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| PCIスロット | ほぼ必須 | パソコンの拡張ボードを取り付けるための、現在主流のスロットです。 取り付けられるボードの種類も豊富で、マザーボードの拡張性を決める 一つの指標となる物です。 通常は、1〜5本ほど付いています。 |
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| USBポート | ほぼ必須 | 外部接続機器を接続するためのポートで、速度によって、USB1.0(1.1)と USB2.0に分かれます。ポートは外についているため、パソコンのケースを 開けなくても接続でき、非常に使い勝手が優れています。 ただし、接続できる物に制限があり、現在は外付ハードディスクや キーボード・マウスなどが主流となっています。 通常は2〜4個付いており、マザーボードのコネクタから別途引き出す事に より、6〜10程度まで増やす事が出来ます。 無いと非常に困る物ですが、古めのマザーボードなどでは、USB2.0に対応 していない事も良くありますので、注意が必要です。 |
別途説明有 |
| IEEE1394ポート | 外部接続機器を接続するためのポートで、主にビデオカメラなどのAV機器 などとの接続で使用されている物です。 外付ハードディスクなどでも対応の製品があります。 USBほど広く使われておらず、搭載しているマザーボードもあまり多くあり ません。 通常は、ついている場合は1つ、別途マザーボード上のコネクタより引き 出す形で取り付ける物も有ります。 |
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| VGA | マザーボードに、ビデオカードの機能が既に取り付けてある物です。 現在の主流はチップセット内臓型ですが、別途ビデオチップを直接 マザーボードに搭載している物もあります。 ビデオカードほどの性能は無く、ゲームなどには向きません。 |
別途説明有 | |
| シリアルポート | ほぼ必須 | かなり古めの規格のポートで、現在ではほとんど使われません。 昔はここにマウスなどを接続したり、パソコン同士を接続するた めなんかにも使われていました。 対応機器を持っている方以外は、ほぼ必要ないといって良いでしょう。 |
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| パラレルポート | ほぼ必須 | かなり古めの企画のポートで、現在ではほとんど使われません。 昔はここにプリンタなどを接続しました。 対応機器を持っている方以外は、ほぼ必要ないといって良いでしょう。 |
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| サウンド | ほぼ必須 | マザーボードに、サウンドカードの機能が既に取り付けてある物です。 現在の主流は、チップセット内臓型ですが、別途サウンドチップなどを 直接マザーボードに搭載している物もあります。 サウンドカードと比べると、著しく性能が劣ると言われています。 |
別途説明有 |
| LAN | ネットワーク接続をするためのポートで、ブロードバンドでのインターネット 接続ではほぼ必須のポートです。 付いているマザーボードもだいぶ増えましたが、付いていない物もあります。 LANカードを別途接続すれば、付けられますので、有っても無くても、 さほど困りません。 |
別途説明有 | |
| RAID | ハードディスクの特別な使い方をするための装置で、RAID機能搭載の マザーボードにはIDEポートもしくは、シリアルATAコネクタが通常よりも 多く付いています。 通常のハードディスクと同じ使い方もできるので、沢山のハードディスク を搭載する方などには人気が有ります。 |
別途説明有 |
上記の表意外でも、いろいろな機能がありますが、代表的なものを取り上げました。
必須、ほぼ必須と書いてある物は、ほとんどのマザーボードに搭載されている機能です。
通常、マザーボードにその機能が搭載されている事を「オンボード」と言います。
オンボードサウンドという場合は、そのマザーボードにはサウンド機能が搭載されている事を指します。
マザーボードには、非常に多くの機能が乗っているのがおわかりになると思います。
通常は、この機能のどれだけが載っているかを見て、そのマザーボードの良し悪しを決めます。
では、各機能ごとに選ぶ上での注意点を見ていきましょう。
AGP/PCI/PCI Express
AGPとPCIとPCI Expressは何が違うのでしょうか?
それを語るには、まずパソコンのビデオ機能の進化の歴史を語る必要があります。
話を簡単にするため、古すぎる物は省きます。
昔(10年ほど前)は、パソコンのビデオカードと言えば、PCIが普通でした。
しかし、モニタの高解像度化と発色数の増加、さらに3D機能の高性能化に伴い、PCIの性能では追いつかなくなってきました。
そこで作られたのがAGPです。
AGPは、ビデオカードに特に特化した規格となり、発足当時から1x(イチエックス=1倍)、2x、4x、8xと順調に速度を上げていきました。
しかし、8xになってから、機械的な部分で、これ以上性能アップが見込めなくなってきました。
そこで、PCIの規格改定も含めて作られたのがPCI Expressです。
つまり、AGPはPCIをビデオカード専用に改造されたスロットであり、PCI ExpressはPCI自体の新規格なのです。
ですので、基本的に、AGPはビデオカード専用です。
今までは、マザーボードにはAGP1本とPCIが5本と言う構成が普通でした。
しかし、最近はAGPをPCI Expressに置き換えた物も数多く出回ってきています。
PCI Expressも現段階ではビデオカード専用となっています。理由は、PCI Express対応のカードがビデオカードくらいしかないからです。
ビデオカードの性能向上のために、PCIの規格を改定したのですから、当然と言えば当然です。
しかし、PCI Expressは、将来的にはビデオカード以外のカードも対応となる予定です。
ただし、それはあくまで予定であり、市場的に売れなければ、大いに変わる可能性があります。
現行のPCIを残し、PCI ExpressはビデオカードのみのAGP的な扱いになる可能性も十分に秘めているのです。
現在のパソコン市場は、AGP/PCI/PCI Expressに関して、かなり混迷期となっています。
コンピュータ機器関連企業がPCI Expressへ移行して行っているためです。
ですが、現段階では、販売されている拡張ボードのそのほとんどが、PCIであるため、全部がPCI
Expressへ移行するのにはまだまだ時間がかかります。
また、うまく移行できるかどうかも問題であります。
マザーボードを選ぶ際に、スロットの選択は頭の痛い問題です。
AGPは、今後消え行く事は確実ですが、現段階では、まだまだ現役であります。
この部分の選択は、非常に個人差があり、どれが良い方法と言うのが言いにくい部分です。
マザーボードによっては、PCI Expressのみ搭載したモデルもあれば、PCIとPCI
Express両方を搭載した物もあれば、AGPとPCIのみの物も有れば、
全部載っているような物もあります。
しかし、全部載っているのが良いかと言うと、必ずしもそうではありません。
なぜならば、その分、全体の本数が減っていることが確実であり、なおかつそういう物は大抵、使用に制限があるからです。
スロットのみの選択の場合は、現段階ではPCI Expressを選ぶのが、将来的に有利になります。
スロットだけに関して言えば、あえてAGPを選択する必要はありませんが、PCIは無いとすごく困ります。
なぜなら、現在の拡張ボードのほとんどがPCIだからです。
USB/IEEE1394
USB/IEEE1394は、できるだけ多くついている物を選んだ方が良いでしょう。
なぜなら非常に便利だからです。
すぐに使用する機会が無くても、大抵はその内使い始めます。
USBに関しては、できるだけUSB2.0に対応した物を選ぶ事をお勧めします。
USB2.0はUSB1.0(1.1)にも対応しているので、選んで損はありません。
USB1.0(1.1)のみの対応だと、接続できる機器に制限が生じ、外付ハードディスクなどはつけられない恐れがあります。
また、ハブ(分岐機)などで分けると速度が落ちますので、できるだけポート数が多い物を選び、速度が落ちないようにする事も重要です。
VGA
マザーボードに搭載されているVGA機能には大きく分けて2種類あります。
一つはチップセットにVGA機能が内蔵されている物です。
もう一つは、チップセットとは別にビデオチップを搭載している物です。
二つの違いは、ビデオメモリにあります。
チップセット内蔵型の物は、ビデオメモリをパソコンの搭載メモリから確保します。
つまりパソコンの搭載メモリが512MBでビデオメモリに4MB割り当てたとすると、使用できるメモリの量が508MBに落ちるのです。
量からすればたいした事ありませんが、問題はCPUとVGAの両方がメインメモリを使用してしまい、全体の性能が落ちてしまうと言う事です。
これは、3Dゲーム・ビデオ編集・3Dモデリングなどではかなり致命的な物となってしまいます。
チップセット内蔵型の場合、多くは別途にAGP、もしくはPCI Expressのスロットを持っており、ビデオカードを後で別途接続できるようになっています。
チップセットとは別にビデオチップが搭載されている物は、マザーボード上に、固定的にビデオメモリを持っています。
しかし、これの問題は、その接続方法が、AGP接続(スロットは無いが、基板上ではAGPのビデオカードと同じ仕組みで接続されている)
の物がほとんどで、ビデオカードへの変更ができず、且つ、ビデオメモリの量が固定のため、拡張する余地が無い事です。
性能的には、チップセット内蔵型よりも高性能な物がほとんどですが、ビデオカードよりは劣り、性能的に問題が生じた場合にどうする事もできなくなってしまいます。
一見見ると、悪い部分が目立ちますが、必ずしもそうとは言えません。
それは、パソコンの不具合で非常に多いのが、接続不良によるトラブルです。
ある日、突然、パソコンが起動しなくなってしまったと言うようなトラブルの多くの原因が、ビデオカードの接続がゆるくなってしまったと言う事だったりします。
しかし、マザーボードに直接乗っているVGA機能を利用すれば、接続不良になる事はありません。
また、わざわざビデオカードを買う必要もないので、コスト的には非常に安くつきます。
3Dゲーム・ビデオ編集・3Dモデリングなどをしない方にとっては、この上なく魅力的なものなのです。
VGA機能は、性能の上であまり良い物ではないので、選ぶ上であまり気に掛ける必要はありません。
というのも、ビデオカードに比べてあまりに性能に差が有り過ぎるので、ダメな時はどのVGA機能でもダメになります。
映る程度の物と考えておいた方が良いでしょう。
ATIやNVIDIAはビデオチップメーカーなので、期待を持つ人も少なくありませんが、大きな間違いです。
むしろ、期待をかけた分、喪失感が大きくなるので、期待はしない方が良いでしょう。
サウンド
マザーボードに搭載されているサウンド機能は、はっきり言って、かなりお粗末な物です。
とりあえず、鳴る程度の物と考えておいた方が良いです。
しかし、現在のマザーボードは、そのほとんどにサウンド機能が搭載されており、むしろ無い物のほうが珍しいくらいです。
では、どのような物を選べばいいのでしょうか?
ズバリ言えば、どれも同じです。
音と言うのは、案外、個人によって聞こえ方に差は無く、どれが良いと言うような事はほとんどありません。
サウンドの質を左右するような、音質操作の回路は、基板上には無く、ソフト的に行っている物がほとんどです。
ですので、どれを選んでも同じようにしか聞こえません。
音に独特のこだわりの有る人以外は、無理してサウンドカードを購入する必要はないでしょう。
パソコン上で作曲などをやりたいと言う方の場合は、むしろ、サウンドカードを購入するべきでしょう。
音にあまり違いが無いとはいえ、やはりお粗末な物はお粗末でしか有りません。
キーボード(鍵盤)などを接続するためのコネクタなどでも不都合が出ますので、サウンドカードは購入するべきでしょう。
サウンドカードを購入する方の場合は、むしろ、サウンド機能はかなりの邪魔になります。
マザーボード側とサウンドカード側で2重にサウンド機能が組み込まれる事になり、いろいろ不具合を起こす可能性があります。
最悪の場合は、パソコン自体が正常に動作しなくなる場合もあります。
そのようにならない為にも、サウンドカードを購入する方の場合は、マザーボード側でサウンド機能をカットできる物を選びましょう。
あまりの安物以外は、大抵カットできますので大丈夫ですが、事前にマザーボードのメーカーのホームページなどで調べておいた方が良いでしょう。
LAN
LANは、ネットワークアダプターの事で、現在だと、ブロードバンドのインターネット接続などでよく使用されています。
10BASE/100BASE/1000BASE(GigaBit)の3種類が有り、数字が大きくなるほど速くなります。
LANはサウンドのように、全てのマザーボードに乗っているわけでは有りません。
LANは、別途にLANカードで組み込む事もできますが、VGAのところでも述べましたが、カードで組み込む場合はやはり接続不良が起こる可能性がありますので、マザーボードに乗っているのであれば、それに越した事はありません。
ブロードバンドでのインターネット接続をしておらず、ネットワーク自体も使用していない方なら、必要は無いのですが、有って困る物ではないので、あるに越した事は有りません。
しかし、無理に1000BASEにする必要もありません。大抵は100BASEで十分です。
ブロードバンドのインターネットも100BASEの接続ですから(笑)
RAID
RAIDとは、元々SCSI(スカジー 外付機器を接続するための規格)の使用方法の一つで、ハードディスクの効率的な運用を目的とする為の物です。
SCSI機器が高価なため、パソコンの分野では、IDEのハードディスクを使用したRAIDが普及しました。
ここでは、マザーボードに搭載されている部分のみを説明します。
マザーボードに搭載されているRAID機能は大抵がRAID 0とRAID 1です。
RAID 0はストライピングと呼ばれ、同容量の2台のハードディスクを、1台の高速ハードディスクとして扱う物です。当然容量は2倍になります。
RAID 1はミラーリングと呼ばれ、同容量の2台のハードディスクに、同じ内容のデータを書き込むことにより、1台が壊れてももう1台で、データを保護すると言う物です。当然、容量は2台で1台分なので半分になります。
RAID機能が搭載されてるマザーボードでは、RAIDを使わないと言う選択肢もあり、その場合は、通常のハードディスクと同じ扱いになります。
その場合は、通常のIDEでは最大で4台まで搭載可能なハードディスクを4台以上搭載する事が可能です。
通常はRAIDのコントローラチップ1つでIDE2つ分(4台分)のソケットがあり、総合計で最大8台ハードディスクが搭載可能になります。
マザーボードに搭載されているRAID機能は、2種類に分類できます。
一つはチップセットにRAID機能が内蔵されている物です。
もう一つは、別途にコントローラチップが搭載されている物です。
両方を搭載している物もあり、その場合は、10台以上のハードディスクを搭載する事も可能です。
RAIDは、はっきり言って、無理して搭載するべき物ではありません。
なぜならば、それなりの専門知識がないと、うまく運用する事が難しいからです。
furufuruもRAIDを使っていますが、今までもかなりのトラブルに見まわれました。
RAIDにハードディスクを接続しなくても、搭載されているだけで問題を起こす事があり、かなりの厄介物であることは確実です。
furufuruの経験上、チップセット内臓の物ならば、比較的トラブルは少ないですが、別途コントローラが載っている物は、使用に際し、それなりの覚悟が必要でしょう。
RAIDを使用するメリットが、トラブルと付き合っていく事になるデメリットよりも大きい方以外は、お勧めできません。
マザーボードの形状
さて、マザーボードの機能が大体解ったところで、実際にマザーボードがどんな形状をしているかを見てみましょう。
マザーボードの形状には、幾つか規格が有り、その規格によって、大きさが大体決まっています。
| 規格 | 大きさ | 拡張性 | 説明 |
| ATX | 大 | ☆☆☆☆ | 普通のパソコン用の大きさ。 タワー・ミドルタワーなどのケースに入る。 |
| Micro ATX | 中 | ☆☆☆ | やや小さ目のパソコン用。 横置きケースや、マイクロタワーと呼ばれるケースに入る。 |
| Flex ATX | 小 | ☆☆ | メーカー製省スペースパソコンなどで使用される物。 相当小さい。が、ケースがMicro ATXと区別されないので、 最終的なサイズはMicro ATXと同じである。 |
| Mini ITX | 極小 | ☆ | キューブ型などのパソコンで使用されるサイズ。 拡張性はほぼ皆無で、ケースもあまり種類が無い。 |
通常、自作パソコンで使用されるのはATXです。
ATXは、拡張性が十分にあり、自作パソコンの醍醐味を一番味わえる規格サイズなのです。
Micro ATXやFlex ATXは省スペースパソコンや格安パソコンなどを作りたい時に選択します。
小さい分、拡張性に問題が生じるので、Micro ATXやFlex ATXを使用する際には、できるだけ多くの機能が搭載されているマザーボードを選びます。
Mini ITXは、キューブ型のパソコンなどで使用されるマザーボードですが、通常はこれを買う人はあまりいません。
なぜなら、拡張性がほとんど無い(通常はVGA搭載でPCIは1つ、他のスロットは無し)上に、値段が高く、また搭載できるケースもあまり売っていないからです。かなりの上級者向けマザーボードですので、初心者、ビギナーの方にはお勧めしません。
これはかなりの皮肉なのですが、Micro ATXのマザーボードは、その使用用途により、多くの機能がマザーボードにあらかじめ載っている上に、その上小さくて、非常にメリットが多いのです。
使用用途を定めて、拡張などをしないような中・上級者から、よく解らない初心者、ビギナーまで幅広くお勧めできる物です。
しかし、どうしても多機能な分、各機能のパワーは弱く、性能面で言うと、ATXの方が上と言わざるを得ません。
マザーボードの上手な選び方
今まで見てきたように、マザーボードには非常の多くの見るべき点があります。
ですので、一概に「これだ!」と言うような、選択方法はありません。
しかし、それではお話になりませんので、幾つかの方法をお教えします。
まず、一つ目は、メーカーで選ぶ事です。
お店などで、ショップ製パソコンに使用されているマザーボードを見てみて、どこのメーカーの物を多く使っているかを見て見るのです。
お店などは、当然プロですから、どこの物が良いかを良く解っています。
そのお店で最もよく使っているメーカーが、自動的に良いメーカーと言う事になります。
あとは、そのメーカーの物の中から、選んでいけば、比較的簡単に選ぶ事ができます。
furufuru的には、Asustek、Gigabyte、Aopenなどがお勧めです。
Asustek、Gigabyteは信頼性の上でお勧めします。
Aopenは価格と信頼性で折り合いがつくところなのでお勧めです。
Intel、AMD、VIAはCPUメーカーなので良さそうに見えますが、あまり良かった印象が無いのでお勧めしません。
と言うよりも、furufuruは避けてます(笑)
次に挙げる方法は、チップセットで選ぶ方法です。
種類が多いので大変そうに見えますが、案外そうでもありません。
これはあくまでもfurufuruのお勧めする方法で、中・上級者にはお勧めしませんが、初心者・ビギナーにはいい方法です。
まず、チップセットは、CPUがIntelならばIntel製、AMD製ならばNVIDIA製の物に決めます。
そして、VGA機能が必ずある物にし、新めの物にします。
この時点でほぼ決まりです。
後は、どのメーカーにするかを決めるくらいです。
こうする理由は、Intel、NVIDIA共に、各CPUごとでのチップセットとしては、問題が少なく、素直に動いてくれる物だからです。
さらに、最新機能を豊富に搭載しており、機能をいちいち一個ずつ見る必要もなく、最新をセレクトしてくれます。
価格面で不利になることが多いですが、安心感はあります。
最後に挙げる方法は、いつもfurufuruが行っている方法です。
それは、あせらずじっくり情報を集めて、コツコツ調べていく方法です。
一見地味で、とてつもなくめんどくさいですが、確実な方法です。
自作パソコンにこだわりを見せるならば、やはりこれが一番でしょう。
マザーボード選びの注意
マザーボード選びの際に、注意することは非常に多いのですが、ここでは、あまり気づきにくい点について説明します。
まず、一つ目は大きさです。
ATXのマザーボードは、一見みな同じような大きさのようで、結構大きさが違います。
ケースに止める穴の位置は決まっていますが、大きさはばらばらですので、自分が入れようとするケースに入るかどうかは、きちんと計算に入れて選ばないと、いざケースに収める時に入らないなんて事になりかねませんので注意しましょう。
初心者・ビギナーの方は、Micro ATXのマザーボードを選ぶ事をお勧めします。
ATXのケースには、Micro ATXのマザーボードも入りますので、サイズ的に余裕のあるMicro
ATXのマザーボードならば安心できます。
次に、IDE/FDDコネクタの位置に注意が必要です。
特に大型のケースをご使用になる場合は、最悪の場合、ケーブルが届かないなんて事も良くあります。
ケースに固定した際の位置をよく把握して、どこら辺の位置にコネクタが来るかを注意しましょう。
最後に、選んではいけないマザーボードについて、ご説明します。
マザーボードメーカーは非常の多く、中には一般的でないマザーボード(工業向け、サーバー向けなど)などを製造しているところもあります。
マザーボードには、ドライバーやBIOSなどのソフトも付属しています。
そうしたソフトのアップデートやサポートも、マザーボードを選択する上での重要な要素になってきます。
インターネット上にホームページが無いようなメーカーや、更新がほとんど無いようなメーカーなどは、できるだけ避けた方が良いでしょう。
できることならば、日本語サイトを持っているようなメーカーが一番良いですが、最低でもホームページ上でサポートを行っている事を必須条件としておいた方が良いでしょう。
また、むやみやたらと安い物なども止めた方が良いでしょう。
お店などでは、安い物は保証、サポート無しの自己責任という暗黙のルールみたいな物が有ったりします。
上級者の人はそれでも何とかなってしまいますが、腕に自信のない方は、出来るだけそういったものは避けるべきでしょう。
さらに、むやみに高い物も、良い物と限りません。
特にサーバー向けマザーボードなどは、パソコン向けの3倍以上の値段がする物もザラです。
ですが、そういった物は、重点を置いている部分が違い、個人使用には向かない場合も良くあります。
値段だけで良し悪しの決まる物でも無いので、注意が必要です。
中古に関しても、ご説明しておきます。
中古のマザーボードを使用する場合は、それなりに知識が必要です。
それは、いろいろと設定がいじられている可能性があるからです。
マザーボードには、色々と設定があり、場合によっては、そのせいで動かない事も有ります。
そういったものに対処できるだけの自信がない場合は、止めた方が良いでしょう。
また、故障に関しても、新品よりもリスクが高くなります。
マザーボードの故障の中には、しばらくするとだんだん症状が出てきて、ついには止まってしまうというようなものも有ります。
中古店での検品ではそういった物は調べにくく、また、しばらくはちゃんと動くので、気づくまでに時間がかかったりして、保障期間を過ぎてから気づいてしまったなんて事もあります。
中古はどうしてもリスクが高くなりがちですので、それに目をつぶれる人でないとお勧めできません。