
自作パソコンを買おう!
手順4:買ってみよう!
販売形式
さて、予算も欲しい機能も決まったところで、実際のお買い物を賢くする方法を説明します。
買い物なんて簡単だと思ったら、大間違いです。
賢く自作パソコンを買うのは、思っている以上に難しいものなんですよ。
パソコンの販売形態
さて、実際にお店ではどのようにパソコンが売られているかを見てみましょう。
| 名称 | 説明 | メリット | デメリット |
| メーカー製パソコン | 言わずと知れた大手メーカー製の 電源を入れるだけで使えるパソコン |
組み立てる手間が要らず、電源 を入れるだけで使えるようになる。 保証も充実 |
値段が高い。 販売時点ではスペックアップが 出来ない |
| メーカー製BTOパソコン | 大手メーカーが一部のパーツの組換え をオーダーメイドで受け付けるパソコン |
販売時点でのある程度のスペック アップが出来る。 保証も充実 |
スペックアップが出来る幅が 小さい。 値段も高い。 |
| ショップ製パソコン | パソコンパーツを取り扱うお店が、独自で 組み立てている半自作パソコン |
安い。 お店が動作を保証してくれる。 組み立ての手間がかからない。 |
販売時点ではスペックアップが 出来ない。 |
| ショップ製BTOパソコン | パソコンパーツを取り扱うお店が、独自で 組み立てている半自作パソコンで、一部の パーツの組換えをオーダーメイドで受け付 ける物 |
比較的安い。 お店が動作を保証してくれて、その 範囲内でパーツが自由に変えられる。 組み立ての手間がかからない。 |
お店が保証してくれる範囲内 でしかパーツ交換が出来ない。 |
| 自作パソコンキット | パソコンパーツを取り扱うお店が、自作 パソコン1台分のパーツをセットで販売して いる物 |
安い。 お店が動作を保証してくれて、その 範囲内でパーツが自由に変えられる。 |
お店が保証してくれる範囲内 でしかパーツ交換が出来ない。 組み立ては自分でする必要が ある。 |
| ベアボーンキット | パソコンパーツメーカーが、土台部分の パーツをセットで販売する物 |
通常ではありえない仕様の物がある。 土台があるので、残りのパーツのみを 揃えれば済むので、比較的楽に作る事 が出来る。 |
やや高い。 特殊な使用のものが多いので、 パーツ交換が利きにくい。 作る手間がかかる。 |
| バラパーツ | 各パーツを自分でそろえる物 | 頑張り次第で、どんなスペックでも作る 事が出来る。 |
高い。 保証が無い。 作る手間は膨大にかかる。 |
最も手間もお金もかからないのが、ショップ製パソコンです。
意外に思うかもしれませんが、完全な自作であるバラパーツは高くつきます。
これは、ショップ製パソコンはお店が同じパーツを大量に入荷し、セットで販売し、利益を計算しているらしく、各パーツごとの小売値段より、安めに価格を設定しているせいです。
ベアボーンキットは、通常、パーツとして売られていますが、これ一つで、ほとんどのスペックが決まってしまうので、カテゴリー分けの対象にしました。
お店によっては、ベアボーンパーツを元に、ショップ製パソコンを作っているところもあります。
では、各販売形態ごとに詳しく解説していきましょう。
メーカー製パソコン
言わずもがなの、大手量販店ならどこでも売っている物ですね。
買ったその日に持ち帰って、すぐに使えるものです。
当然、ソフトも既にインストール済みです。
値段を除けば、一見良い事づくめのように思えますが、実はそうではありません。
中身は案外安物を使っている事が多いんですね。
公開されるスペックの目玉の部分を除くと、意外に安い物が多く使われています。
特に、最近は、小容量(筐体の小さい物)の物が好まれるので、色々と多くの物が省かれています。
買ったままでパワーアップせずに使いつづける方意外は止めた方がいいでしょうね。
メーカー製BTOパソコン
こちらは主に、大手パソコンメーカーが独自に通販(ホームページなどで行っています)を行って、販売している物で、買ってから届くまでに、しばらく時間が掛かります。
メーカー製パソコンと同程度の便利さを備えており、若干のパワーアップが出来る物です。
パワーアップと言っても、メモリの増量とハードディスクの増量、CDドライブをDVDドライブにする程度がほとんどで、場合によってはCPUのパワーアップも出来るところもあります。
親切なメーカーなどでは、ソフトをインストール済みにするか、そうしないかを選べ、それが値段に反映したりもします。
メーカー製パソコンよりはハイグレードな物を望む方には良いかも知れませんが、やはりそこは、所詮メーカー製の域を出ないものでしかありません。
ショップ製パソコン
パソコンパーツを取り扱うお店が、独自に検証した結果、相性等が出ないパーツを取り揃えて、組み立て済みで販売する形式です。
メーカー製パソコンと大きく違うところは、保証が、大手メーカーが執り行うような、全国ネットではないと言う事と、ソフトがインストール済みではないという事と、モニターが付いていないと言う事です。
お店によってはOSをインストールしてくれるお店もありますが、別料金となるのがほとんどです。
通常、OSはこの手の自作パソコンにはインストールされている事は無く、OSは「バンドル」という形で、別途購入(単体で購入するよりは安く買えます)し、自分でインストールします。
販売形態はお店によってさまざまで、店頭ですぐに持ち帰り出来るようにしているところもあれば、注文を受けてから作るところもあります。
店頭ですぐに持ち帰り出来るタイプの物はかなり安く、メーカー製の半額以下で売られている物がほとんどです。
ロースペックの物では3万円以下と言うのもザラです。
手間無く安く抑えるのには、良い選択手段です。
ショップ製BTOパソコン
パソコンパーツを取り扱うお店が、独自に相性を検証し、OKと判断されたパーツを集めて、その範囲内でオーダーメイドを受け付ける販売形式です。
選べる範囲がそこそこ広く、動作を保証してくれるので、かなりお勧めです。
料金も比較的安く済み、ショップによっては、ソフトのインストールサービスを行っているところもあります。
自分で組み立てるのは自信が無いけど、自作の醍醐味を味わいたい方には、うってつけです。
通常は、店頭、もしくは通販でオーダーし、出来上がるまでに2〜3日掛かります。
OSやモニタに関してはショップ製パソコンと同じ扱いになります。
自作パソコンキット
ショップ製BTOパソコンを組み立てていない状態で販売する形式で、大体はショップ製BTOよりも価格が安く済みます。
自分で組み立てる気の有る初心者の方には、うってつけです。
相性の心配が無いので、安心して買うことが出来ます。
ショップ製BTOパソコンが出来上がるのに2〜3日掛かるのに対し、自作パソコンキットは、数十分から1〜2時間で受け取れます。
また、ショップによっては、既に持っているパーツを省いての販売もしてくれ、かなり融通が利く販売システムになっています。
やはり、OSやモニタに関してはショップ製パソコンと同じ扱いになります。
これとは別に、メーカーが販売している自作パソコンキットと言う物も存在します。
これは、主に学習教材的な位置付けになっており、あまり販売されている例は見ません。
こちらは、OSやモニタも込みで1セットでの販売になっており、オーダーメイドなどは出来なくなっています。
まぁ、ここを見ている方には縁の無い物ですね(笑)
ベアボーンキット
ベアボーンキットは、通常、ケースとマザーボードがセットになって販売されている物で、主にパーツ扱いで販売されています。
これは、主に、メーカー製パソコンに見られる小容量のパソコンを自作するための手段として用いられています。
通常の小容量パソコンとして使えるものから、超小型の特殊な物まであり、それなりに選択肢の幅があります。
通常のパーツが流用できる、比較的小型のものだと、ケースとマザーボードのみのセットですが、超小型の部類に入ってくると、そこに特殊なCDドライブやフロッピードライブなどのパーツもついてきます。
ベアボーンキットは、キット内に入っているパーツ以外は、バラパーツを購入して補うのが通常のルールになっています。
通常は、CPU・メモリ・ハードディスク・ドライブ類などを別途購入する必要があります。
特殊形状であるため、最新の機能を搭載しているベアボーンキットは、しばらく時間が経たないと市場に出回りません。
ベアボーンキットは、価格がやや高めですが、うまく使えば、バラパーツで揃えるよりも安く済ませる事が出来ます。
また、ノートパソコンのベアボーンキットが用意されており、自作のノートパソコンを作る事が出来るのも大きな特徴です。
お店によっては、ショップ製パソコンをベアボーンキットをベースに作っている所もあります。
バラパーツ
全てのパーツをバラで販売する方式です。
アセンブリパーツなどとも呼ばれます。
通常、自作パソコンとは、この形式で売られているパーツを自分で買い集めて、自分で組み立てる物を言います。
バラパーツは、パーツを買うお店を限定する必要がないため、各パーツごとで安いお店を探せ、自分の頑張り次第で、価格が変わってきます。
最近では、パワーアップ用のパーツを捜し求める手段として、利用されていますが、うまく使えばショップ制パソコンよりも安く同スペックのパソコンを作る事も可能ではあります。
また、自分の勇気次第で、中古・新品のパーツを織り交ぜる事も可能になってきますから、まさに可能性は無限大です。
ただし、各パーツごとの説明は店員さんに聞くことが出来ますが、全体での説明がなくなりますので、それなりの知識が必要になります。
さて、次からは実践買い物編です。