エピソード101(指)
俺の家に居候していたB氏、ある時に親分の運転手をしていて睡眠不足が続き、親分がとあるマンションに用事があって車を降りた間、うとうと寝たつもりが深い眠りに入ってしまい戻ってこられた親分がいくら車を揺らしても起きられなかった事があったそうだ。
極道の世界ゆえ、指を詰めてケジメをつけたB氏、その話をB氏から直接聞いた俺は指をこうやって詰めたんですか?とジェスチャーすると、B氏はこう言った。
「バーカ、指詰めるのに手の甲側からじゃあ痛くて詰められねえよ!手のひら側から詰めるんだよっ!。」
へぇ〜、そうなんだ…。でもどっちみち痛いことには変わりないよな(笑)ちなみに、哀川の指は全て健康に健在しております(笑)。
エピソード102(指2)
ある金融業の飲み会に参加した時の事、俺の席の隣りには、すごく爽やか系の青年が座っていた。
青年は笑顔で俺に「○○一家の方ですよねっ、噂は兼々聞いております。今後とも宜しくお願いします。」と言ってきた。
俺は内心こーゆー青年が接客するとお客様に、すごく良い印象を与えるんだろうなぁ…と思って酒を飲みながらその青年と話しをした。しばらくするとその青年、おもむろに左手を俺に見せた。は?何の変哲も無い手を見せられ、手相の話しでもするのかと思いきや、右手で左手の小指を外した。
義指だったのだ。はい、その好青年、元極道だったのでしたっ(笑)
キツネかタヌキに化かされた思いでした。
エピソード103(愚連隊時代の怖〜い話)
家出中の男女が多勢いた俺がリーダーだった愚連隊。縄張りが広範囲だったので、地元側にいる部隊と合流するのに結構時間がかかった。
ある天気の悪い日の事、小雨がパラついてきた為、急いでバイクに乗り地元の連中と合流する為、友人と走った。合流した頃には雨はどしゃ降りに…。今日は誰の家に泊まろうかなんて相談をするにも、とりあえず雨宿りをしようという事になったが近くには地元で有名な幽霊が出るトンネルしかなかった。
あまり幽霊や迷信などを信じていなかった俺は迷わず、そこで雨宿りをしようと皆に提案した。
一人だけ霊感の強い女の先輩が「絶対に行かない方が良い!」と言ったが、俺は「幽霊?そんなもん出たら俺のワンパンでやっつけますから大丈夫っす!任せて下さい!ハハハァ笑」
なんて事を当時一緒に喧嘩をしに色々転戦していた友人と言い合いながら、男女多勢でぞろぞろとトンネルの細い歩道を縦一列になって俺を先頭に入っていった。
トンネルの真ん中辺りまで行くと、いくつもある電灯の一つだけが突然消えた。
俺はみんなに「おいおい!幽霊が出る前ぶれかぁっ!」な〜んて気を紛らわせるつもりで大きな声で言った。が、しかし、みんなの反応が無い。ふと後ろを向くと自転車が坂道を音もたてずに降りてきた。女の人が乗っていたのだが顔が青白い光の様で透き通っていた。声も出ず体も動かない俺の目の前を自転車に乗った女性は横切っていった。しばらくして消えていた電灯がついた瞬間、体が自由に動いた。
パニック状態に陥った女の子達は泣き出した。俺もパニくり、「みんな!逃げろっ!」と叫びわざわざ幽霊が去って行った方向に全員で走って逃げた(笑)
一列に並んだ最後尾の女の子の証言だと、その幽霊は坂道を上がって行き突然消えたそうだ。あんな目前で幽霊を見るのはお化け屋敷以来の出来事でした。
エピソード104(渋谷を一世風靡したチーマー)
スーツを着て夜なのにサングラスをかけて(笑)東京某所の繁華街で飲み歩いていた頃、あるカラオケステージある店のBOX席に座って飲んでいると隣りの席で飲んでいた女連れの男が「歌、うまいですね。」と言ってきた。褒められて悪い気はしなかった俺は一緒に酒を飲む事にした。地元はどこかと聞くと原宿で普段は渋谷センター街辺りにいるという返事が返ってきた。
俺が「渋谷センター街っていやぁ最近チーマーとかいう小僧が悪さしてるだろ?」etc
さんざん悪口を言うと、その男と連れの女はクスクスと笑い出し、男が言い出し辛そうに「すみません、あのぅ自分そのチーマーの初代リーダーなんです。」さすがに俺も吹き出して笑った。
しかし、初代リーダーの話では、最初はライダースの皮ジャンを着たアメリカの某ロックバンドのコピーをするだけの音楽好きの集まりだったのに、やっているうちに後輩達が間違った方向に走ってしまい今じゃあ収集のつかない状態になってしまった事を本当に悪いと思っているとの事だった。
その後、チーマーというものの実態は要は麻薬組織の手先で、上納金を極道に納めるという典型的な資金源であるという事も分かった。
いつだったかチーマーを見物したいという友人達を連れて社会見学をしに行った時の事、繁華街に多勢いたチーマーが、俺が歩くと十戒のように真っ二つに割れて、その光景があまりにも素晴らしかった事を今でも思い出す(笑)
エピソード105(お神酒)
俺と友人が16歳の頃、愚連隊のようなものをやっていて良く溜まり場にしていたコンビニエンスストアの上のマンションに住んでおられた某一家の幹部の方の自宅に一度お邪魔した事がある。
部屋に入ってしばらくすると、その幹部の方が「おい!お神酒(おみき)変えてくれ!。」とおっしゃられた。俺も友人の家も神棚なんてものは無かったので、おみき???
何だそれ?状態で二人でキョトンとしていた。すると、幹部はイライラしたようで「そこの神棚に置いてある白い2本あるやつの中身を取り替えろ!。」と、また言われた。ようやく意味が分かった俺と友人…。
しかし、今度は二人でおみきって中身は酒か?水か?で悩んだ。おそるおそる幹部に、「あのぅ、これ中身は何でしょうか?。」と尋ねると、幹部は苦笑しながら「水、水を取り替えてくれ。」俺は内心、そんなもん自分で替えろよ!と思った(笑)。