エピソード106(愚連隊解散)
俺が作った愚連隊は一時期勢力を伸ばし恐れるものは無いという位イケイケだった。
規則など全部俺が決め、そりゃあ自分自身を戒める意味もあって結構厳しい規則だった。
実力主義で先輩後輩の間柄であっても間違ってる事は間違ってるとお互い言い合い、自分自身が尊敬するに値しない年上の者は先輩として見なくても良く、意味不明な理屈で年上の者から因縁をつけられたら、その喧嘩は買って叩きのめしたもの勝ち(笑)とか他所と違って変わったルールの愚連隊だった。そんなルールがいけなかったのか内部抗争もあった。真っ二つに割れた組織を一つにまとめる事は困難になってしまった。内部抗争を無理矢理終結させる為、俺と友人の二人で組織を割って反目に回った四学年上の者がリーダーになった同じ学校出身の先輩達がいたもう一つの愚連隊に殴り込みをかけた。真冬だったので行く前にコンビニで甘酒を買って飲んだりして気合いを入れた(笑)。
あの哀川が本気で怒り出したと事前に情報が入っていた(スパイもいた為)相手側も道具を集めるなど必死だったようだ。しかし、当時の俺にそう簡単に勝てる筈も無く、相手側の中には顔の骨を三箇所ひびが入ったんだか折れたとかいう奴までいた為、やられた者の親が騒ぎ立て大騒ぎになってしまい極道までもが喧嘩の仲裁に入る程の事態になった。
結局、相手側のリーダーの親と同じ相手側の親同士まで喧嘩になって、一応リーダーであった俺がケジメをつけ愚連隊は、わずか1年間で解散。解散条件として今まで一緒に遊んでた友人同士絶対に会ったりしてはいけないなど惨々な結末となり、当時付き合っていた彼女とも別れた。
俺と一世を風靡した友人も、会えなくなり数年後ばったり街で会った時にはアル中になってブクブクに太り面影が無くなっていた。愚連隊解散後それぞれ男女みんな別々の道を歩む事になった訳だが、俺は解散後4年してから極道の道へ入る事になった。
エピソード107(内偵)
今までマヌケなゆえに何度も警察に内偵され逮捕状をとられパクられている。
警察の方々もたぶんこっちは何も気付いていないとでも思っているのか一生懸命内偵捜査をし、雨の日も風の日も張り込みを続け俺のカッコイイ写真を盗み撮りしたりと御苦労様なのであるが、こっちにしてみれば逮捕状を持ってくる1ヶ月前から張り込まれているのが分かっていたのがほとんどだった(笑)。
まず、本人の在宅を確かめる為なのか今まで無かった無言電話の回数が多くなり、あまりアジトから外に出ないとシビレを切らすのか!?セールスを装って不審なセールス(張り込み刑事)が来る事もあった(笑)あまりにも不自然なセールスで、インターホンで俺が余計な事を言うとアドリブがきかない刑事はあたふたして面白い(笑)。
その他、俺は自分のアジトを決める時は一応逃げやすく周囲が良く見渡せる場所を選ぶので、普段は停まっていない不審車両(フルスモークの窓ガラス)がアジトの周りに何時間も停まりだした時は99%張り込みをされている時だった。
一番今までで笑えたのは某事件とは管轄違いの警察の刑事が俺の事を某警察署が内偵して近々逮捕状を持ってお前の家に行くって言ってたぞっと教えてくれた事だった。
少しからかってやろうかと思って、某事件の時は張り込み時間外に意表をついて夜中いきなり車に乗って消え去り、車を隠して知らんぷりしてアジトにこっそり戻った時なんて慌てふためいた警察は翌日急いで逮捕状を持って現れ、俺に「おい!お前の車どこやったんだっ!」と聞いてきたので俺は笑いながら「一生懸命張り込みしていた割には肝心な時にいなかったんだぁ残念だねぇ。」と少々イジメテあげました(笑)
まぁ、今は犯罪とは縁が無い為、張り込みされてもこっちが気付かないような場所に我が要塞はございますがねっ(笑)。
エピソード108(ねずみ講)
ほとぼりが冷めるとどこからともなく沸いて出てくるねずみ講(笑)。
俺にもやってみませんか?と声を掛けてきた自称ねずみ講ではないと言い張る女性に品川プ○○○ホテルの一階にある喫茶店に呼び出された。年収8桁を目標としていて近いうちにアメリカに移住するのだと、その女性は豪語していた。
本社がアメリカにあり、初めて会員になる人にも平等なチャンスが与えられるまさにアメリカンドリームだとかなんだとかと説明された。
要は名のある会社だろうがなんだろうが結局やってる事は、ねずみ講な訳で…俺はその女性に「じゃあ、このシステムはピラミッド形式な訳だから同じ形式のヤクザ社会の親分さんが始めればすぐに大金持ちになれる訳ですね…、俺みたいなチンピラで無く○○組の親分を紹介しますから直接その方に今俺にしたような説明をされてはいかかでしょうか?。」と言ってあげました(笑)。
その女性、返す言葉も無く売れもしない洗剤だのをたくさん詰め込んだ大きな袋を重そうに担いでスゴスゴと退散したのは言うまでも無い(笑)。
エピソード109(喧嘩初め)
毎年大晦日から正月にかけて何故か揉め事が多かった。ある意味何かが起こるという期待があったからなのかもしれないが、年初めに喧嘩に勝利する事が縁起が良いと、勝手な解釈をし誰かしらが犠牲者となった(笑)。でも間違っても血に餓えた狼ではないので自分達からわざわざ喧嘩を売るような真似は一度もした事が無かった。
ある年の大晦日、今年は何事も起きず珍しく無事に年を越せるなぁなんて事を仲間達と言い合いながら地元のラーメン屋で年越しラーメンを食べていると、そこに団体客が入ってきて俺たちの隣りの座敷に座った。しかし、その座敷に行くまでに事もあろうか俺たちの靴を堂々と踏んづけて通っていったのだ。仲間達の怒りがスパークし、皆俺にGo!の合図はまだかと言わんばかりに目で訴えてくる(笑)。
俺は小声で「店に迷惑かけちゃダメだから表に出るまでの辛抱だ。」と血気に早る仲間達を説得した。店を出た後は、その団体客はオモチャにされてました(笑)。
俺があまり気乗りのしない喧嘩でも仲間達が目で訴えかけてくると仕方なくGoサインを出したケースも少なくない。Goを出さなきゃ人間丸くなったとナメラレル。不良のトップなんてのは結構疲れるもんだなぁと、その頃は思いました。
新年早々…行いが悪い俺達はあまり一年間良い事は起きませんでしたっ(笑)。
エピソード110(初めての犯罪)
俺は甘いものとコーラだけは絶対に摂取してはいけないと母親から厳しく言いつけられており、友人の家や祖母の家に行っても当然のように甘いものが出されるのだが食べた事がバレると大変な目にあった。
ある日、どうしてもチョコレートが食べたくなった俺は近所のケーキ屋さんで誘惑に負けチョコレートを万引きしてしまった。店の主に見つかり母親と一緒に謝りに行った。
その日から、母親の俺への信用は全く無くなった。4歳の頃の出来事だった。
初めての犯罪は万引き・・・それがどんどんエスカレートして行った…続きは次回(笑)