エピソード111(初めての犯罪2)
小学生低学年の夏、友人と二人で近所の本屋に行った。その本屋には玩具まで売っていた。俺と友人は近所のガキ大将的存在だったので、みんなを喜ばそうと思い、花火大会をやろうと決意した(笑)。そう決めてから行動に移すまでが早かった。
二人で打ち上げ花火を何十本も抱え込み猛ダッシュで店を後にした。
しかし、店主の気付くのも早かったので「待て〜!ガキども〜!」と怒鳴りながら追いかけてきた。大人と小学生低学年、しかも花火を抱え込んでいては逃げ切れないのは当たり前、逃げながら俺は店主の気をそらせようと1本1本花火をあっちこっちに投げながら走った。
しかし、そんな努力!?も虚しくあっさり二人とも捕まってしまった。二人とも親を呼びなさいと言われ、友人は呼んだが俺は親には知らせず二度とその本屋には近づかなかった(笑)。
残念ながらそういう訳で花火大会は出来ず終いだったが、俺が初めて捕まったケーキ屋でアイスを大量に盗み近所の仲間達や年下の子達を集め暑い夏を凌いだ(笑)。
上級生たちは畑にトウモロコシをかっぱらいに行って焼きトウモロコシを俺達に食べさせてくれた(笑)。
俺が生まれ育った土地…ホント柄の悪くてしょうもなくて大好きな街だった。
こんな事ばかりしていて…いずれ警察に捕まる日も来るのだが、次回に続く。
エピソード112(初めての犯罪完結編)
犯罪というのは回数を重ねていくうちに慣れてしまい、やる事も大胆になっていく。
繰り返した犯罪は数知れず…発覚したのは氷山の一角であり…。
小学生高学年の時、某大手スーパーからラジコンカー10台と一流ブランドのスニーカーと高額なサッカーボールなど大量に店内から裏口の階段を使って運び出した。数人でリレーのように、どんどん運び出した。運び出した物は一旦外の物置を売っていた物置の裏に隠し、警備員が来ないかを確かめ一瞬で計画は完了した。
盗んだ物は少しだけ遊び、それを見ている小さい子供が羨ましがって欲しそうにしていたりして親に「ママ、あれ僕も欲しい…。」なんてグズッているのを見ると、これあげますって言ってあげてしまった。鼠小僧のように、そうやって盗んだ物のほとんどは誰かにあげてしまった。しかし、そんな悪事も結局仲間割れから内部告発があり、悪事の一部がバレてしまい学校で問題となった。もちろん、主犯は俺だったのだが、悪事に加わった他の仲間達は
親に怒られるのが怖くて全員犯行を否認した。一応、教師が全員の親と本人を学校に呼び出し話し合ったが、親子共々全員否定した。中には俺の家に電話をしてきた親までおり、「哀川君は、うちの子の親友だと思っていたのに関係無いうちの子に濡れ衣を着させるなんて…。」と抗議までされた。犯行に加わった者の名前を公表したのは俺ではないのに…。結局、ケジメをつけるために俺は両親と共に警察署に出頭し、初めて取調室で長時間にわたる鬼のような刑事に取り調べを受ける事となった。未成年でしかも小学生なので施設行きが決定したのだが、ギリギリセーフというか結局証拠不十分により釈放された。
そして、普段通り学校に登校したわけだが、周囲の目は俺に同情する者ばかりで俺はその時、本当に嬉しかった。教師もみんなの前で「哀川はケジメをつける為に警察に出頭した。みんなは知らないだろうが、警察という所は嘘などつきとおせる所ではない。今回の事件は哀川一人で罪をかぶったが、先生は否認した残りの共犯について後で後悔する事になると思っている。」とおっしゃって下さった。犯罪というのは共犯者が居るとうまくいかないという事を身にしみて分かった気がした小学生高学年の経験だった。以降、盗みというものに飽きて盗むという犯罪は一切辞めたのだが、その後、愚連隊などを作った頃には年下のメンバーの女子なんかが特に万引きをしているのが多かった為、注意をしていた(笑)。
共犯がいた事件はその後、大人になってから大抵のものはバレて捕まった。いかなる犯罪も単独犯が一番良いものです(笑)。

エピソード113(初めての家出)
俺が初めてプチ家出を決行したのは確か初めての犯罪と同じ4歳の頃だったと思う。
秋の夜…もう肌寒い夜、星空を見上げながら俺はなんでこんな家に生まれてしまったんだろうって思いながらトボトボと行くあてもなく歩き続けた。
母親に「もう、この家のルールが守れないのだったら出て行け!出て行って一人で暮らせるもんなら暮らしてみろ!。」と怒鳴られたからだ。
幼いながらも俺は、その言葉が卑怯な台詞に聞こえ例えのたれ死んでもこの家に戻る事は無いだろうと腹をくくって家を飛び出したのだった。しかし4歳児ゆえ、そう遠くに行く事もできず誰もいない公園でポツンと座っていた。すると、ものすごく獰猛そうな野良犬が…ウ〜っと唸りながら近づいてきたのだった。でも不思議と恐怖心は無く俺はその犬に向かって「おいでっ、君も僕と同じで独りぼっちなんだね…寂しいよね一緒にいようねっ。」と語りかけると野良犬は唸るのを辞めて俺を守ってくれるかのように何時間も横に座っていてくれた。泣きそうだったが、その犬だって一人で頑張ってるんだから泣くわけにはいかない…そう思いながら時は刻々と過ぎていった。眠くなり壁に背をもたれたままウトウトしだした時、母親が俺を探し出して迎えにきた。俺は迎えに来て欲しくもなかったから嬉しくもなんともなかった。すると隣りに座っていた野良犬がものすごい唸り声で母を威嚇しだして母は俺に近づく事すら出来なかった。「早くこっちに来なさい!なんでそんな犬と一緒にいるの!。」と言われてもしばらく俺は動こうともしなかった。
結局、母に連れられて家に帰る事になったのだが、俺は野良犬に謝った。同じ捨てられて独りぼっちになった仲間を裏切って家に帰って行く事が後ろめたかったからだ。
謝ると、その犬は母に対する威嚇を辞め俺を見送ってくれたのだった。4歳で仲間を裏切る悲しみを覚えた…。

エピソード114(お先真っ暗)
関東の某県警本部じきじきのお出ましで○○事件の容疑で摘発され収監された留置場内で、20歳になったばかりの青年と数ヶ月間同じオリの中で過ごしたのだが、その青年は麻薬の運び屋で麻薬の大量所持の現行犯逮捕だった。
逮捕された当日、某一流ホテルのロビーでモー娘のメンバー達と遭遇してメンバーの一人が彼を見てニコッとしてくれたそうで(笑)、大ファンらしく明るい性格の彼だったのだがある夜、就寝時間になる直前にいきなり泣き出して俺に「もう自分はこの先7年くらい刑務所から出られないですよね?出所したら27歳ですよ…。両親いないし何処にも行くあても無いし…。この先、生きてたってもう良い事なんか無いっすよね?俺…この先どうすればいいんですかね?。」と真剣に涙声で問い掛けてきた。突然の出来事にどう答えてあげれば良いのかも分からず、ありきたりの事を言ってあげる事しかできなかった。楽して大金を得ようとするとリスクもそれなりに大きいのだという事を彼を見てしみじみ実感したものだった。
エピソード115(喧嘩必勝法)
ある日、後輩の女の子に「哀川君、これから大勢相手に喧嘩しに私一人で行くんだけど、勝てるかなぁ…?。」と相談された。
相手は全員女の子だと言う事だったが、女の子達のバックには当然男共がついているらしかった為、一応1対大勢とはいえ女同士の喧嘩だったので俺は絶対に口も手も出さないという条件で喧嘩現場までついて行った。一応喧嘩必勝法だけは伝授しておいた(笑)。俺は遠目で後輩が教えた通りうまくできるか一応心配して見守っていた。相手は6人だった…。まず女同士の言い合い(口喧嘩)が始まった。
予定通り、相手が文句を言い終わらないうちに後輩の必殺顔面ど真ん中グーパンチが炸裂した。相手の女の子達は、まさか女の子同士の喧嘩でいきなりグーパンチされるとは思わなかったのか動揺し戦意喪失し何故か遠くに立っていた俺の所に走りよってきて、「あんた!あの子の彼氏だろ?何で黙って観てるんだよ!。」と負けてるくせにトンチンカンな事を言ってきて結局バックの男共に応援を呼ぼうとしたので、俺は「あいつの彼氏じゃねえし…負けたのが悔しくて男を呼びたけりゃ呼べ!その代わり俺の名前をちゃんと伝えておけ!哀川力ってな…。」彼女達も一応不良…俺の名前くらいは知っていたらしい笑!事は穏便に解決した。
喧嘩必勝法!女の子編、大勢が相手の時は先ず一番その中でしきってる奴に冷静に話をする素振りを見せて相手がしゃべりだしたら最後まで聞かずに顔面ど真ん中を必ずグーでパンチする事っ!俺はこれだけを後輩に教えたのだった(笑)。