エピソード176(ブランド物より食意地)
俺は大金が入ると、まず美味い飲食店巡りをしてしまい酒と豪華な!?メシで消えてしまう(笑)
好きな食べ物を飽きるまで店に通って食べまくり気付いた時には有り金が底をつく。
そんな俺を見るに見かねた若衆が「哀川さん、極道は見栄を張らなきゃダメですよ!俺なんてカードローンバリバリでブランド物とか買いまくってるんですよ!」と余計なお世話な忠告をしてきた。そこで俺はウ〜ン…と考え質屋に出かけた。質流れ品を買う為に…(笑)
美味いメシにはアホのように金を払うのにブランド物を買うのは質流れ品って感じで最初に買ったのはダンヒルのライターだった。そして次はネックレスをと思ったのだが、さすがに身に付ける物は前の持ち主の運を引きずりそうなので、ディスカウント屋で18金ネックレスを買った(笑)。
ブランド品には全く興味の無い俺だったが結局いつのまにか極道をやっているうちに専属ファッションコーディネーター(笑)の手によって俺は改造され家の中にはブランド物だらけになっていた。
しかし、溢れんばかりのブランド品は懲役に行っている間に全て同居女に持ち逃げされた(爆)
あぁ、やっぱりブランド物より美味い肉や海の幸を食べておいた方が正解だったなぁと後悔した(冗)
エピソード177(刺青)
極道の世界に身を置いている間、親分や兄貴分に何度も刺青を入れたらどうだ?と言われ続けて結局入れずじまいで足を洗ってしまった俺、しかし刺青より目立つ物が俺にはあるのだ(笑)。大抵、俺とサウナに行ったりとにかく裸の付き合いをした事のある人間は必ず第一声が「うわっ!刺されたの?」と。そう俺の腹にはヘソの上に斜めに10センチの傷痕がこれでもかと言わんばかり目立って入っているのだ(笑)
こんな痛い目にあってるんだっ!わざわざ痛い思いして刺青入れなくても十分痛い目にあってるわけで…な〜んてのは言い訳で刺青を入れなかった理由は単に興味が無かっただけなのである。周りのみんなは刺青を入れて翌日高熱を出して苦しんでいたり夏の海水浴場で日焼けすると色が飛ぶとか言って気にしていたり入れるの痛いからってシャブくってる笑える奴までいたが…要は俺は一生渡世の道を歩んでいこうと決意できなかっただけの話である(爆)
エピソード178(一睡もせず)
車のブローカーをシノギにしていたある日、デートの約束をしていた俺は前日に車の修理に追われて自分の事務所で徹夜で作業をしていて朝になってしまい、どうしよう…
今日はデートの日だった…事務所から車をふっ飛ばし自宅に戻り着替えをして高速道路で待ち合わせ場所へとダッシュで向かった。待ち合わせは都心だったのだがデートに行く予定だった所は茨城県白里海岸だったのだが一睡もしていない俺にとって物凄く長い道程だったのでシャブをくって運転した。もちろんデートの相手にはナイショだったが(笑)
そして、海岸に着いた頃には昼時になっていて何と!彼女お弁当を作ってきてくれていたのだった。しかし…人によって違うのだがシャブをくってると腹が減らないどころかメシがノドを通っていかないタイプの人間だった俺は「この牛肉が巻いてある御飯美味しいねぇ。」なんて言ってしまい「遠慮しないでどんどん食べてねっ。」なんて言われて吐きそうなくらい苦しかったのに我慢して「美味しいよ〜これっ!」と言いつづけて食べた。食べたら今度はシャブの効き目が切れてしまったのか?睡魔に襲われて予備のシャブを持ち合わせていなかった俺は帰り道、延々と「しりとり」の相手をしてもらいながら運転したのだった(笑)
デートで延々と「しりとり」の相手を俺にさせられた彼女は、さぞかし嫌だっただろう(爆)
※この話は10年くらい前の話で一ヶ月でシャブはやめてそれ以来やっていません。
エピソード179(極道の子供)
16歳の冬、某公園を待ち合わせ場所にして男女先輩後輩が集まっていた事があったのだが、その公園に来ていたいつも一人ぼっちで遊んでいた小学生がいた。
俺は気になったので声をかけて話を聞いてみた。どうやら学校で友達ができないらしく1人でいつも遊んでいるとの事だった。家族構成など尋ねるとお兄ちゃんがたくさんいると言うので、お兄ちゃんは何歳?って聞いたら「一番上のお兄ちゃんは36歳。」と言われ、はぁ?36歳?そんな馬鹿なっ!?「それはお父さんだろ?。」と再度聞いてみてもお兄ちゃんだと言い張るし他にも20代のお兄ちゃんがたくさんいると言うのだった。その子は小学6年生、少し物分りの悪い子なのかと思い「家はどの辺なの?。」と聞くと「すぐそこの家だよっ。」と指差したのだが…その方向には某指定暴力団(テキヤ)の
事務所があった。その瞬間わかったのだお兄ちゃんの意味が(笑)そうお兄ちゃんとは組事務所の構成員達の事だったのだ。そして極道の親分の子供であるがゆえに学校で仲間外れになっているのだと言う事も…。そして、その一家の名前とその子の名字は当然同じだった。
その子がそれから数年後、不良になったという風の噂を耳にした。
エピソード180(養老の滝)
地元、東京都足立区にも色々な名前の居酒屋チェーン店があったのだが、俺がよく利用していたのは村さ来(むらさき)だった。他にも白木屋とか色んなのがあったが先輩に誘われても絶対に俺が行かなかった店がある。その店の名前は「養老の滝」だった。
ずうっと俺は養老というのが、ここ最近東海エリアに潜伏するまでは地名なのだという事に気付かなかったのだ。最近、東海エリアの人間に誘われて仕方なく養老の滝で酒を飲んで〜んだ!普通の居酒屋じゃんo(^-^)o若い人も利用してるんだっ!・・・。
そう、俺は養老=養老院、お年寄りが集まる憩いの居酒屋だと勘違いしていたのだった(笑)
東京の先輩達っ!いつも飲みに誘ってくれたのに養老の滝に限って毎回行かなくてゴメンなさい!
俺はひそかに内心先輩達は若いのにずいぶん年寄り臭い店が好きなんだなぁって思ってました(笑)