エピソード206(トイレの縄張り)
中学生時代の話だが、ある日の事あまりみんなに使われていないトイレに入って用を足していると後からトイレに入ってきた野郎が「おい!そこは俺の便器なんだから勝手にするな!」と訳のわからない因縁をつけてきやがった。俺は最初は冗談で言ってるのかと思って笑いながら用を足してトイレから出るとその因縁を吹っかけてきた野郎はどうやら本気で言ってるらしくマジで怒ってやがった。
仕方が無いからこんなアホちょっと脅せばビビるだろうって思って俺は学ランの内ポケットだったかベルトに挟んであったかは忘れたけど短刀を出して威嚇すると相手の野郎は同じく内ポケットからジャックナイフを出して俺を威嚇しやがった。
そうなると所詮中学生同士なのでお互い短刀とジャックナイフを持ったまま無言で蛇とマングースがにらめっこしてるみたいな状態になってしまった(笑)。しばらく睨みあっていたが、睨みあってるうちにお互い冷静になってしまったみたいで「便器の取り合いでお互い怪我はしたくねぇし死にたくねぇよな。」とか言ってお互いナイフを懐にしまってトイレを後に去って行った。
しかし、今考えるとあの時お互い引っ込みがつかなくなって刺し合ってたら・・・ニュースで「トイレの便器の縄張り争いで中学生が死闘」とかマヌケな見出しで世間を笑いの渦に巻き込んでしまったんだろうなぁと思う。
エピソード207(ヤクザがいい人?)
だいぶ前の話になるが、今では音信不通の実の母親が俺との電話でこう言った。
「今ねぇ、父さんとも離婚して浅草で働いてるんだけどそこに来る常連のお客さんで何処かの組の親分さんと仲良くなって色々話をしたりするんだけど、彼とってもいい人なのよぉ…。」と俺のIQの高い母親らしからぬ言葉を聞き不覚にも呆然としてしまった。
気を取り直して俺は「俺も今ヤクザなんだけどヤクザの俺が言うのもなんだけどさぁヤクザにいい人なんているわけねぇよ!いい人だったらヤクザになんねぇよ!。」と言い返した。まぁ俺自身よくわかんねえけど悪い事を一切しないヤクザとか若衆が悪い事して手に入れた金を上納金として吸い上げてる上の人間にいい人がいるんだろうか?何だかよくわかんねぇけど俺の周りのヤクザはみんな「ヤクザにいい人なんているわけねぇよ!」が口癖なのが多かった。
エピソード208(チェンジ)
学生時代、流行らない硬派を気取ってあまり女遊びをしなかった俺は20代半ば過ぎからやたらとホテトルを呼ぶようになった。ホテトルといっても色々あって料金も2万円程度から10万円程度の高額なサービスもあったが、高い料金を払ったからといって別に美人が来るというわけでもなく安くてもイイ女が来る事もしばしばあった。
来た女の子が気に入らなければ何度でもチェンジOKなんてとこも結構あって夕方頃からいそいそと電話をかけてワクワクしながら女の子が到着するのを自宅で待つのだが…ピ〜ンポ〜ン♪ドアを開けるたびに、とても俺好みじゃない女性が来る。
1回チェンジすると次が来るまで1時間近くかかるのだが…ピ〜ンポ〜ン♪また×だ。そうこうチェンジしているうちに店側の受付の男が「お客さん勘弁して下さいよ!」とキレだす(笑)。それでもチェンジは無料なのでめげずにチェンジ!(笑)そして夕方から電話したにも関わらず、朝になってしまい俺は一言…「おい!可愛い娘が多数在籍って嘘じゃねぇかっ!。」店側も「人それぞれ可愛いの基準が違いますからっ!。」
俺「てめぇの店じゃ二度と呼ばねえよっ!。」とまぁチェンジが無料なのを良い事に延々とアホな一夜を明かしてしまう事もあった(笑)。本当に店泣かせの嫌な客でした(・m・
)プププッ
え?今ですか?この東海エリアに潜伏するようになってからはホテトル1度も呼んでません(笑)
エピソード209(キャリア)
警察官には皆さん御存知の通り、キャリアとノンキャリアの二通りの人がいる。
キャリアというのは大卒のエリートと呼ばれる人間で昇進試験を受けてトントン拍子で出世していってしまう人の事なのだが、そんなキャリアも一応交番勤務を経験して一通り刑事として現場の仕事も携わる。まぁ、俺みたいなチンピラの起こした事件程度じゃそんな人が担当になるわけがないと思っていたら1度だけ某県警本部から逮捕された時に、俺の担当刑事がキャリアと呼ばれる人だった事がある。しかも初めての取調べの犯罪者が俺だったらしい。彼は一生懸命に俺を取り調べ祝祭日も特別に出勤してきては俺を取調室に呼び手書きで供述調書を書き、家に持ち帰ってワープロで清書するんだと言っていた。時には愚痴をこぼす事もあったのだが、そもそもが俺の事件がTV放映の為のインチキ事件のような物でテレビ局と警察官僚のごく一部の金に汚い人間がグルになって普通なら逮捕されるわけが無いような事件を見事にでっちあげて逮捕に踏み切ったという裏のある事件だった為、それを知っていた彼はそんな汚い上司にはついていけないが家庭があるから背に腹はかえられない、そんな上司の命令で俺を取り調べてるんだとボヤいていた。時に彼はアタッシュケースの中にこっそり「おはぎ」を8個も詰め込んできて俺に「上にバレるとうるさいから残さず全部食えよっ。せっかく家から持ってきたんだし…。」なんて事もあった。俺の取調べのたびに「俺は器用に出世していけるような人間にはなれない。」
と嘆いていたが…きっと今頃はどこかの警察署で汚い世界に染まる事無く活躍している事を俺は願っている。
エピソード210(塀の中の噂話)
塀の中には貧乏人から金持ち、浮浪者、極道、会社経営者、有名企業の元重役etc
様々な人種が集まる。学歴のない者も高学歴の者も当然いるので面白い話がたくさん聞ける。なかには与太話(作り話)も結構あるが、ある浮浪者は娑婆に出るたびに駅で「私は目が見えません」というプラカードのような物を持って道行く人から金を騙し取っては逮捕されの繰り返しなんていうあきれる話から、ある金持ちのマゾっ気のある不動産経営者が通っていた秘密倶楽部の常連客に江○○介さんや菅○○太さんがいたとか…まぁ皆さん本当の話のようにもっともらしく真剣に話すので、こっちも笑いながら興味津々に聴き入ってしまう。
聞きながら真偽を確かめるのは難しかった(笑)。