エピソード31(相撲部屋)
ヤクザの世界では良くありがちな話!?だが、良く自分より下の者を連れて食事などに行く場合、注文の際に食べきれない程の量の品を注文するのだが、ある意味それは見栄でもありヤクザたるもの金にいとめはつけねえぞっ!って事なんだけど、俺も良く兄ぃ夫婦に食事に連れて行かれて例えばお好み焼き屋に連れて行かれたとすると、食べきれない程のお好み焼きと鉄板焼きを注文され、兄ぃに「俺が若い頃は、もっと凄い量の注文をされて残さず食べろと言われて、死ぬほど苦しい思いをして食べたからこれくらいの量を食べきれないでどうするんだっ!。」と言われ、一生懸命食べた想い出がある。内心、兄ぃが学生時代はスタイル良かったのに太っているのはそのせいかと思い、俺はなりたくないなぁと思った(笑)俺、別に相撲取りを目指している訳じゃないのに…などと思いながら、自分にも舎弟ができると、自分の女を連れて、舎弟を焼肉屋に連れて行き食べ切れないほどの注文をして女に肉を焼かせ死ぬほど舎弟に食わせてやった笑。その時のセリフはもちろん、「俺が組に入りたての頃はなぁ、もっと凄い量の注文品を残さず食べろって言われて…我慢して食べたんだ。」(笑)
エピソード32(原子力発電所)
原子力発電所の原子炉の中を掃除する仕事は給料がかなり良いらしい。そこで働く人々には娯楽があまり無いらしく、競馬の馬券ですら買いに行くのが大変だという事で房原子力発電所作業所内でノミ屋を始める話が持ち上がり、俺は兄貴分の代理で某組織の当時ナンバー2の方と打ち合わせをしてこいと頼まれた。具体的な話をしたのだが、問題はその原発に作業員として誰かが1名潜り込まなければ作業員をとりまとめて馬券の注文を受けなければならないということだった。でも、それなりに、原発内で働く賃金の他にノミの上がりのパーセンテージも収入になるということで、俺はあまり良く考えずに良い話しだぁ…俺が潜り込んでやればいいやと思い、やる気マンマンで翌日兄貴分に報告すると、兄貴分は「で、お前が原発に潜り込んで作業もするのか?」と言い渋い顔をした。
翌々日、何かの用事で兄貴分を車に乗せて俺が運転しているとカーラジオから、原発の労働者が核だか何だかに長年勤めている間に汚染され、国を相手に訴訟を起こしたとか何とかいうニュースが流れた。その瞬間、兄貴分は「ほれみろっ!原発なんかで働いたらお前が死ぬじゃねぇかっ!やめろっ!そんなバカなシノギ!」と怒鳴られた。あのぅ…話煮詰めてこいって言ったの兄貴分なんですけどと内心思ったが、あぁ、それだけ俺の事を心配してくれている人なんだと改めて思いシノギは中止した。 今、堅気になった俺、年中金欠気味。そんなシノギでもやりたいくらいだったりして(笑)
エピソード33(富士山)
皆さん、修学旅行で京都奈良に行く方が多いように、日本一高い富士山にも多くの方々が訪れていると思います。俺は京都奈良には一度も行った事が無いのですが、富士山には何回も死体を埋めに(嘘)足を運んで五合目辺りのみやげ屋で、紫水晶だの花こう岩の模様をしたお菓子だのを買った記憶があるのだが、そんな思い出深い富士山の『富士山5合目幸運を招く鈴』なんてお守りを俺は、東北某刑務所内で作っていたのだ笑!俺達、懲役が作った物で運が開けるんかいっ!成田山のお守りまで関東某刑務所で作った気がするぞっ笑!服役囚が一生懸命?反省の意を込めて?作ったお守り、出所してから初詣に行くとお守りが全部刑務所で作られているのかと思い、あまり買わなくなった笑
エピソード34(上野公園)
ある日の夜、俺は舎弟の運転でイラン人と取り引きがあった為、上野公園に向かった。真暗な公園の四方八方からどこからとなくイラン人達5名くらいが俺の周りに集まり、一言二言交わした後、いざ取り引きと思い、お互いポケットに手を入れてブツを出そうとした瞬間、1人のイラン人が叫び声を上げた。俺達は一斉にライトアップされたのだ。何が起きた?目を凝らして良く見ると張り込み中のパトカーに囲まれライトを上向きで照らしてきたのだ。俺は身振り手振りで「散れっ!」と叫び舎弟を連れて西郷隆盛の銅像を背に一目散に階段からかけおり停めておいた車に飛び乗りダッシュでその場から離れた。逃げる時はさすがに俺、自分で運転しました(笑)。
エピソード35(堅気伝説)
業界ではヤクザをやってる事を不良やってると言うのだが、ヤクザになる前の出来事…
毎晩のように某駅繁華街でスーツにレイバンのサングラスをかけ、友人と飲み歩いていた時期があった。何軒か飲み歩きいつも決まって最後に辿り着く店はカラオケステージのあるボックス席の飲み放題の店で未成年だらけが集まって騒ぎまくる朝までやってるところだった。
ある日の事、いつものように高校生や大学生達と楽しく飲んでいると、いかにもヤクザらしき男達が飲み屋のネエチャンを数人連れて入ってきて、「暑いなぁこの店は…」などと言いながら上着のボタンをはずし、こともあろうか刺青を堂々と見せつけるように出しソファーにふんぞりかえって飲みだしたのだ。店内にいた客は学生さんの男の子や女の子ばかりで刺青を見た瞬間しーんと静まりかえった。みんなの目が俺に救いを求めてきた。友人は怖さのあまり硬直してしまっていたので俺はしばらく様子をうかがって、ヤクザの中で一番背の高い刺青をはだけていた男がトイレに席を立った瞬間、後に続いてトイレに入り、その男が用を足しだした瞬間背後にまわり「アンタらどこの組の者だいっ!堅気さん達が楽しく飲んでる場で刺青出していきがってんじゃねぇぞコラッ!場合によっちゃぁ…」と言いながら何も入っていないスーツの内ポケットに手をいれると、あせったヤクザは「わかった俺達が悪かった。謝るから許してくれっ」と案外素直だったので、俺も俺に謝るんじゃなくて他のお客さん達全員に謝ればいいぞって許してやった。結局、そのヤクザ達を含め一般のお客さん達全員で朝まで盛り上がり学生さん達は刺青を良く見せてもらったりして楽しんで帰った。哀川力、当時18歳。いきなり!堅気伝説でしたっ(笑)後から俺が堅気だと知ったその男達は目が点になっていた(笑)