エピソード46(殺人未遂)
ある日の事、事務所で頭をカチ割った相手が病院に駆け込み俺は殺人未遂容疑で某警察署に連行された。
3時間近くにわたって取調べを受け何も知らないと言い続けたところ、刑事がブチ切れた(笑)
「おいっ!コラ!てめぇ警察なめてんのかぁ?警察だからって暴力振るわないと思ったら大間違いだぞっ!一般人ならまだしもてめぇらヤクザ者には俺達刑事も暴力くらい振るうんだよぉ!」
と言われぶん殴られた(笑)
親分から警察署に「くだらねぇ身内のゴタゴタでいつまで哀川を釈放しないつもりだ!」と電話が入り、結局は運良くその日のうちに釈放されたのだが釈放される時になって刑事が俺に、
「殴った事は無かった事にしてくれ悪かったなぁ哀川、これも仕事の内なんだから勘弁してくれよなぁ。」
と言ってきた。別にどうっちゅう事無いけど、内心俺は謝るくらいなら初めから殴るな!と思った。

エピソード47(金魚鉢)
前にこのコーナーで話した事があるかもしれないが、骨董品のような昔のアウディに(姐さんのお気に入り)乗っていた頃、ある事件で社会不在を4ヶ月程夏場に余儀なくされた。
その間、骨董品アウディは俺の自宅の駐車場に停めてあったのだが、運の悪い事に東京拘置所在監中に台風が来た。
友人にアウディのキーを預けておいたのだが、台風が去った後に友人が見に行ったらアウディが
金魚鉢に変身していたと面会所で言われた(笑)
執行猶予の判決をもらいシャバに出て自宅に戻ってレッカー屋を呼んでアウディを吊り上げると
左右両側のドアから物凄い量の水がザバァーと音を立てて流れ出した。
やっぱり骨董品は屋根付き駐車場で保管しておくべきでした(笑)。

エピソード48(初めての出所)
初めての出所は東京拘置所から22歳の夏の終わりに経験したのだが、拘置所の横にセンチュリーなどの黒塗りの高級車で出迎えられ上のクラスの方々に「ご苦労さんだったな。」とねぎらいの言葉をかけていただき気分は爽快なものでした。
共犯の方々も一緒に出所し身内のご家族の方々も多くみえてました。残念ながら執行猶予中の兄ぃ達は、実刑判決を受け懲役に行く事になってしまいましたが、そんな兄ぃの奥さんも気落ちした所を見せず俺の姿を見つけるなり姐さんらしくタバコを差し出してくださって火をつけていただきました。
当時、俺はセブンスターを吸っていたので差し出されたタバコがパーラメントだったことから軽いタバコかぁと思い一気に吸い込むと目が回りその場で体が1周してしまい恥ずかしかったのを今でも覚えています(笑)
その後、何度も社会不在からシャバに復帰する機会があるたびにタバコは思い切り吸わないように心がけています(笑)あっ!タバコやめるか社会不在にならないようにいたします(≧ε≦;)

エピソード49(自慰行為禁止)
拘置所や刑務所の規則で自慰行為(ひとりH)は禁止とされているのですが、実際そんなものを守っている人はブツが使い物にならない人でしょう(笑)
刑務所によって多少の違いはあるとは思いますが、俺が在監していた刑務所では自費で漫画、雑誌、エロ本、他なんでも購入ができました。シャバじゃぁこんなエロい本は絶対買ってまで見ないだろうというような本を購入してらっしゃる方がたくさんおりました(笑)
そんなエロ本を見ながら、布団にもぐりこっそり1人Hをしている方はほとんど全員でしたが、そんな事で懲罰をくらった人もいませんでした(笑)
え?俺ですか?2年間も抜かなかったら健康に悪いでしょう(笑)
今回はこんな下ネタで失礼いたしました。

エピソード50(医療)
刑務所の中の医療というのはほんとうにひどいもので、まぁ、犯罪者に人並みの人権が保障されないのは仕方が無い事なのかもしれませんが、医療がしっかりしていない分、塀の中で亡くなる方もかなりいらっしゃいます。
例えば俺なんか親知らずの歯が虫歯になっても痛みが限界になるまでポンタールなどの痛み止めを飲まされつづけ、胃まで痛くなって最終的にメシが食べられなくなってからやっと自費3000円を払って歯を抜いてもらいました。
しかし、ヤブ医者なので抜くのも失敗し顔が半分膨れ上がるような目に合いました。
風邪をひいて40度くらいの熱をだしてうなされたこともしばしばあり、獄中死だけは嫌だと思い布団にくるまって一生懸命汗をかいて熱を下げた事もありました。
まぁ、二度とお世話になりたくないところです(笑)